2025年9月13日(土)・14日(日)に開催を控えている「ULTRA JAPAN 2025」への出演が発表されたHardwell。
EDM黄金期の頂点に立ち、今なお世界のフェスで圧倒的な存在感を放ち続けている彼は、まさにダンスミュージック界の象徴的存在。
本記事では、そんなHardwellの輝かしいキャリアと現在の姿にあらためて迫る。
その一方で、常にシーンの最前線を走り続けてきたHardwellは、2018年に突如活動休止を発表。 世界のトップを極めた男が選んだ静寂は、ファンに衝撃を与えた。
しかし、2022年、『Ultra Music Festival 2022』のステージにサプライズで登場し、完全復活を果たす。 タイムテーブル上では「SPECIAL GUEST」とだけ記されており、Hardwellの出演は明かされていなかったが、実際に本人が姿を現した瞬間、会場は大歓声に包まれ、SNSでは「Hardwell is back」が瞬く間にトレンド入りした。
Hardwellの楽曲は、常にフェスのピークを生み出すアンセムとして鳴り響いてきた。
圧倒的なスケール感を持つブレイクとエモーショナルなメロディ、そして一気に解放されるようなドロップ。 聴く者の感情を高揚させるドラマティックな展開力こそが、Hardwellの真骨頂である。
2012年の代表曲「Spaceman」や「Apollo」にもその特徴は色濃く表れており、のちに『ビッグルーム系EDM』としてジャンル化されるこのスタイルは、以降のEDMプロダクションにも多大な影響を与えることとなった。
その後、2015年には待望のデビューアルバム『United We Are』をリリース。 Jason DeruloやMr. Probzら豪華ゲストとのコラボレーションを通じて、その音楽性の広さを証明し、ダンスミュージックにとどまらず、ポップやR&Bの要素を自在に取り入れるスタイルで、より幅広いリスナー層を惹きつけた。
そして活動休止を経て、2022年には復活。 以降はサウンドにさらなる進化を加え、“次章のHARDWELL”を提示している。
復帰作『Rebels Never Die』では、従来のビッグルームにテクノやトランス、レイヴなどアンダーグラウンドの要素を融合させ、よりハードで鋭いサウンドへと刷新。 さらにその後はBPMを引き上げ、より攻撃的な展開が特徴のジャンル “ビッグルーム・テクノ”を打ち出し、ハイエナジーな楽曲で世界中のファンを熱狂させ続けている。
■ フェスの頂点を知り尽くす男、Hardwell – 現場で証明され続けるDJスタイル
世界中のビッグフェスで幾度となくヘッドライナーを務め、その1日のピークを担ってきたHardwell。
近年のセットでは、復帰作『Rebels Never Die』以降に象徴されるビッグルーム・テクノを中心としたハイエナジーなサウンドが軸となっており、より一層の爆発力と鋭さが増している。 シンセの鳴りも低音も攻撃的で、フロアを突き上げるようなインパクトの強いトラックが多く、従来のフェスアンセムとは異なる“重量感”で観客を圧倒する。 それでいて、エモーショナルなブレイクや叙情的な展開を織り交ぜることで、Hardwellらしい“ドラマ”は今もなお健在だ。
■ Cascada – Everytime We Touch (Hardwell & Maurice West Remix)
2000年代のダンスクラシックとして知られるCascadaの「Everytime We Touch」を、HardwellとMaurice West(Mau P)がリメイクしたもの。
原曲のメロディックでエモーショナルな要素を大胆に活かしながら、ビッグルームとハードスタイルの要素を融合し、現代のフロアバンガーへとアップデート。 大合唱必至のサビと炸裂するドロップがフロアを直撃。フェスでのテンションを最高潮に導くこと間違いなしのアンセム。
■ Armin van Buuren & Hardwell – Follow The Light
HardwellがEDM界の重鎮Armin van Burrenとタッグを組んだ1曲。
Arminの象徴的なトランス・メロディーと、Hardwellのビッグルーム・サウンドが完璧に融合し、両者の世界観が高次元で交差する仕上がりとなっている。 近年のフェスやライブセットでも頻繁に披露されており、『ULTRA JAPAN 2025』でもプレイされる可能性が高い注目トラック。
上記した「ACID」と並び、Hardwellの“ビッグルーム・テクノ”を代表する1曲。
メロディックで繊細なサウンドとハードなベースが共存するビートに、Sarah de Warrenによる儚くも芯のあるボーカルが完璧に融合。 爆発力よりも“余白”を重視したサウンドデザインは、Hardwellが描く新たな音楽的ビジョンを体現した作品と言える。