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ULTRA JAPAN 2025特集: Adam Beyer

テクノの帝王が『ULTRA JAPAN』に再降臨 – 進化するサウンドとその真価を徹底解説

2025年9月13日(土)・14日(日)に開催を控える「ULTRA JAPAN 2025」への出演が発表されたAdam Beyer。
テクノというジャンルをアンダーグラウンドから世界のメインステージへと押し上げ、長年にわたって牽引してきた、まさにテクノ界を代表する存在。
ここでは、そんな彼の圧倒的なキャリアと、現在もなお進化を続けるサウンドにあらためて触れていく。


■ アンダーグラウンドから世界の頂点へ – テクノ・シーンを語る上で欠かせない男、Adam Beyerとは?



90年代から現在に至るまで、テクノ・シーンを第一線で牽引し続けてきたスウェーデン出身のDJ/プロデューサー、Adam Beyer。
彼のキャリアは、ヨーロッパのアンダーグラウンド・レイヴ・カルチャーから始まり、現在のグローバルなテクノ・ムーブメントに至るまで、ジャンルの進化と密接にリンクしてきた。 1996年には、自身のレーベル〈Drumcode〉を設立。 ハードで洗練されたミニマル・テクノを軸に、クラブユースかつ革新的なサウンドで瞬く間に注目を集め、レーベルはやがて世界トップクラスのテクノ・プラットフォームへと成長を遂げる。 Amelie Lens、Enrico Sangiuliano、Layton Giordaniといった次世代の才能をいち早く見出し、世界のフロアへと送り出してきた功績は計り知れない。

また、DJとしても90年代から現在に至るまで数多くの世界的フェスに出演し続けており、そのプレイは常に高い評価を受けてきた。 重厚なグルーヴと精密に構築されたセットは、アンダーグラウンドでありながら圧倒的な熱狂を生み出す。 テクノというジャンルの骨格を守りながら、常にその輪郭を押し広げてきたパイオニア——Adam Beyerの存在なくして、現代のテクノ・シーンは語れない。



■ Adam Beyerが刻み続けるサウンドの軌道 – 研ぎ澄まされたビートと“進化するテクノの最前線”まで



Adam Beyerの作風を語るとき、まず浮かび上がるのは、無駄を削ぎ落とした硬質なビートと、フロアを深く揺らす精緻なグルーヴである。 その原点とも言えるのが、1995年に発表された「Drumcode 1」。 ループを多用したパーカッシブかつハードなグルーヴで、アーティストやリスナーを唸らせ、自身のスタイルを確立するきっかけとなった。

その後、自身がオーナーを務めるレーベル〈Drumcode〉を設立。 現場視点の“使える”トラックを発信していく中で、サウンドはより精緻かつ機能的に進化していく。 初期のハードでループ主体のスタイルから、徐々にメロディや空間性を備えた柔らかなアプローチへと移行し、より感覚的でメロディックなテクノへと深化。 当時ミニマル中心だったシーンに、新たな美学を提示し、フロアを揺らす重厚なビートに情感を宿した旋律が共存するサウンドを切り開いていった。

近年では、ハウスやエレクトロなど他ジャンルの要素も柔軟に吸収しながら、よりオープンなサウンドへと展開。 パーカッシブでストイックな核を軸にしつつ、ダイナミックで洗練された音像へと進化を遂げた。〈Drumcode〉を通じて多様な才能を紹介しながら、自らもテクノの“現在形”を更新し続けている。





■ Adam Beyerが操るフロアの呼吸 – 精密な構成美と“グルーヴで語る”DJスタイル



Adam BeyerのDJスタイルは、構成力とグルーヴの精度で勝負する、ミニマルを極めた“設計型”のグルーヴコントロール。
派手な展開や演出に頼りすぎず、ループを軸としたミニマルなビートを緻密に重ね、わずかな変化でフロアの空気をコントロールしていく。 そのプレイはストイックでありながら、時間をかけて深い没入感を生み出す“構築型”の美学に貫かれている。

特に印象的なのは、セット全体を通して描かれる“流れ”の設計力。 短期的なピークを連発するのではなく、じわじわと積み上げていく展開の中で、自然にテンションを引き上げていく。 ビートの強弱やサウンドのレイヤー、低域の響き方まで細かく設計しながら、フロアとの“呼吸”を合わせていくスタイルは、まさにAdam Beyerの真骨頂。

一方で近年のセットでは、従来のミニマルな美学に、よりダイナミックな展開や“爆発力”のあるブレイク/ドロップが加わり、より幅広いオーディエンスにも訴求するスタイルへと進化。 ストイックな構築力と、エネルギッシュな瞬発力を兼ね備えたセットは、フェスのメインステージからアンダーグラウンドなクラブ空間まで自在にフィットする。 テクノという枠組みの中で、音の密度と空間の扱い方を常に更新し続けるその姿勢は、まさに現代のテクノ・シーンにおけるトップDJの証と言えるだろう。






■ Adam Beyerの“今”と“原点”を感じる5曲 – ストイックな美学とテクノの現在形を刻む名作たち

1990年代からテクノ・シーンの最前線を走り続け、今なお進化を続けるDJ/プロデューサー、Adam Beyer。
自身のレーベル〈Drumcode〉を軸に、ミニマルでパーカッシブなグルーヴを武器にキャリアを築き上げてきた彼の音楽は、ストイックな美学を貫くフロア向けの硬派なトラックから、近年のダイナミックで洗練されたサウンドスケープまで多彩に広がっている。 ここからは、EDMMAXX編集部が選ぶ“今こそ聴くべき”Adam Beyerの珠玉の5曲を紹介していく。


■ Adam Beyer – Your Mind (with Bart Skils)

2018年にリリースされた「Your Mind」は、“Drumcodeサウンド”を象徴する1曲として知られ、多くのフェスやクラブで今なおプレイされ続けるテクノ・アンセム。
よりドラマティックでフロアライクな要素が加わった本作は、Drumcodeの進化を体現したサウンドとしても高く評価されている。 近年のフェスでは未発表の最新リミックスが披露されているものの、原点とも言えるオリジナル・バージョンもぜひ押さえておきたい。




■ Adam Beyer – Taking Back Control

6月13日にリリース予定のNEWアルバム『Explorer Vol.1』からの先行シングル。
強烈なベースラインとドラムが生み出す圧倒的なドライブ感に、ハイエナジーなフーバー・シンセ、そして意識の奥深くに刻み込まれる中毒性の高いボーカルリフが完璧に融合。 フェスティバルのメインステージからアンダーグラウンド・クラブまでを熱狂させること間違いなしの1曲。




■ Sharam – PATT (Party All The Time) (Adam Beyer & Layton Giordani & Green Velvet Remix)

オリジナルのキャッチーでファンキーなクラシック・チューンを、現代のテクノへと大胆に再構築した、Adam Beyerの代表的リミックスのひとつ。
象徴的なボーカルを活かしつつ、硬質なキックとミニマルなループでフロア仕様にアップデート。 Layton Giordani、Green Velvetとのコラボにより、パーティー感とアンダーグラウンド感が共存する、まさに“今のDrumcode”を体現した1曲に仕上がっている。




■ Armin van Buuren & Adam Beyer – Techno Trance

トランスの巨匠Armin van Buurenと、テクノのパイオニアAdam Beyerによる初のコラボレーション。
2025年の『A State Of Trance』で披露されたB2Bセットで初登場し、大きな話題を呼んだこの1曲は、両者の持ち味が高次元で融合した“テクノ×トランス”のハイブリッド・トラック。 Beyer特有のミニマルなドライブ感に、Arminの叙情的なメロディが重なり、これまでにないスケール感と高揚感を生み出している。
現在はまだ正式リリースされてはいないものの、多くのフェスでID(未発表曲)としてプレイされており、『ULTRA JAPAN 2025』のステージでも披露される可能性が高い。 今後のリリースが待ち望まれる、Adam Beyerの“次なる進化”を示す重要作。




■ Adam Beyer & HNTR ft. Kyozo – Hypnotic

カナダのアーティストHNTRとの共作で、ミステリアスなヴォーカルと重厚なドライヴ感が印象的な1曲。
Kyozoの幻想的なヴォーカルを軸に、Adam Beyerならではの精緻なグルーヴが展開され、没入感とドラマ性を両立させた構築美あふれる仕上がりとなっている。 彼の近年のプレイにも頻繁に組み込まれており、現在のBeyerが目指すテクノを体現する重要作といえる。






そんなAdam Beyerが、2023年以来となる約2年ぶりに『ULTRA JAPAN』のステージに帰還。
テクノ・シーンの最前線を走り続ける彼が、進化したサウンドと構築美に満ちたセットで、再び東京のフロアを深く揺らす。 圧巻のグルーヴと没入感で、観客をアンダーグラウンドとメインストリームの境界線へと誘う瞬間に注目したい。





現在『ULTRA JAPAN』では、チケットの第2弾が発売中。
『ULTRA JAPAN 2025』の公式サイトや各チケットベンダーを通じて購入可能となっている。 また、2024年に新設され話題となった23歳未満限定の『U-23チケット』も引き続き販売されており、若年層にとってさらに手に取りやすい価格設定となっているのも注目ポイント。



2014年から始まり、記念すべき10周年を迎える『ULTRA JAPAN 2025』――その熱狂の瞬間を見逃さないためにも、チケットは早めにチェックしておきたい。 以下より詳細をチェック。

■ 各チケットベンダー公式サイト
ZAIKO:https://iflyer.zaiko.io/e/ultrajapan2025
LivePocket:https://t.livepocket.jp/e/bc3vn

■『ULTRA JAPAN 2025』開催概要
タイトル ULTRA JAPAN 2025 (ウルトラ ジャパン ニセンニジュウゴ)
開催日時 2025年9月13日(土)、14日(日)  開演11:00(開場10:00) ※雨天決行・荒天中止
開催場所 TOKYO ODAIBA ULTRA PARK(お台場ULTRA JAPAN特設会場 / 江東区⻘海)
公式SNS X: @ultrajapan / Instagram: @ultrajapan / LINE: Ultra Japan / TikTok: ultrajapan / Facebook: @UltraJapan
オフィシャルサイト URL:https://ultrajapan.com/
主催・企画・制作 ULTRA JAPAN 2025 実行委員会