1月17日(土)・18日(日)、幕張メッセで開催される大型音楽フェスティバル『GMO SONIC 2026』。DAY2に出演するのは、世界のダンスミュージック・シーンをこの10年で最も静かに、しかし確実に塗り替えてきた存在、イタリアのトリオMEDUZAだ。これまで日本でのDJプレイ実績はあったものの、3人フルメンバーが揃っての来日は今回が初。この事実だけでも、GMO SONIC 2026が特別な意味を持つことは明らかだ。
■ MEDUZAとは?─イタリアが生んだ、世界基準のハウス・ユニット
MEDUZAは、イタリア・ミラノを拠点に活動する3人組プロデューサー/DJユニット。メンバーはLuca de Gregorio(Luke Degree)、Mattia Vitale(Madwill)、Simone Giani(Simon de Jano)。LucaはSpankersとして、SimonとMadwillはSDJMとして、それぞれが長年DJやプロデューサーとして経験を積んできた。
2018年にMEDUZAとして正式始動し、翌2019年の”Piece Of Your Heart”(feat.Goodboys)でキャリアを決定づける。UKシングルチャート2位を記録し、各国でゴールド/プラチナ認定を獲得。さらにグラミー賞”Best Dance Recording”にノミネートされ、国際ダンス・ミュージック賞(IDMA)も受賞するなど、評価面でも一気に存在感を確立。”ヨーロッパの有望株”から”世界基準のアーティスト”へと押し上げられた。
“Piece Of Your Heart”は、ミニマルなドラム、低域主導のグルーヴ、感情を煽りすぎないボーカル配置で構成された極めてクラブ志向のトラック。EDM的な派手さはないにもかかわらず、フロアでは圧倒的な力を放つ。続く”Lose Control”や”Paradise”では、よりダークでディープな側面が強化され、特に”Lose Control”はラジオフレンドリーなポップ性にとどまらず、クラブのピークタイムやアフターアワーズ、長尺セットでも成立する構造を持つことで、世界中のDJに”セットの軸”として使われ続けてきた。
2021年以降は”Bad Memories”や”Tell It To My Heart”といった、よりメロディックでポップなアプローチも見せるが、ここでもベースとリズムの設計思想は一切ブレない。結果として彼らの楽曲は、ストリーミングでは数十億回単位で聴かれながら、同時にクラブでも消費され続けるという稀有なポジションを確立。家で聴けるが、本領はフロアで発揮される。その両立こそがMEDUZAの真髄であり、ポップとアンダーグラウンドの狭間を自分たちの領域として切り拓いてきた理由だ。
そしてGMO SONIC 2026が特別なのは、過去に来日実績はあるものの、3人フルメンバーが揃っての来日は今回が初という点だろう。MEDUZAは”3人のプロデューサーが同じ思想を共有している”ことが強さの核であり、フルメンバーでのセットは、その核が最も分かりやすく立体的に現れる。幕張メッセの大空間で鳴るMEDUZAは、単なるヒット曲の連打ではなく、グルーヴの積み重ねで空間を支配していく完全形となるはずだ。
AxwellとSteve Angelloによる、後のSwedish House Mafia前夜とも言えるユニットSupermodeが2006年に放った、当時のヨーロッパ・クラブシーンを象徴する大ヒットアンセムの再構築。その歴史的楽曲を任されたという事実は、MEDUZAが単なるヒットメーカーではなく、ダンスミュージックの文脈を理解し、更新できる存在として認められている証でもある。原曲へのリスペクトを保ちながら、低域とグルーヴを現代仕様にアップデートしたこのリミックスは、世代やジャンルを越えてフロアをつなぐ、MEDUZAにとっても象徴的な一曲だ。
MEDUZAはクラブ・ミュージックの文脈を深く理解し、それをメインストリームへと昇華してきた存在だ。GMO SONIC 2026では、初となる3人体制の完全形で、そのグルーヴを体感できる極めて貴重な機会となるだろう。
なお、EDMMAXXでは『GMO SONIC 2026』DAY1・DAY2それぞれの特集記事も公開中。あわせてチェックしてほしい。