NEW RELEASE

Fred again..がダブリンで見せた魔法の夜、Kettama & Sammy Virjiとのコラボ2曲を連続リリース

Fred again.., Kettama & Shady Nasty - Hardstyle 2 / Fred again.., Sammy Virji & Reggie - Talk of the Town

UKのプロデューサー/アーティスト Fred again.. が、新曲「Hardstyle 2」と「Talk of the Town」を立て続けにリリースした。




「Hardstyle 2」は、オーストラリアのバンド Shady Nasty が2023年に発表した「Hardstyle」をベースに、アイルランドのプロデューサー Kettama と共に再構築したもの。


サウンドはレイヴとブレイクビーツを織り交ぜたハイブリッドで、Kettama特有の無骨な疾走感と、Fredのアンダーグラウンドの熱気と繊細なメロディ設計が融合。Shady Nastyのノイズまじりのボーカルが空間を切り裂くように鳴り、ダンス・ロックxUKアンダーグラウンドで新たな領域を切り開いた。彼らは今年7月の「Air Maxes」でもコラボを行っており、その抜群の相性はすでに証明済みだ。

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リリース前夜、Fredは嵐の中を飛行機でダブリンへ向かい、ホテルで最終ミックスを仕上げたと投稿。その日の深夜0時、「Hardstyleが完成した」と宣言したこの曲は、まさにライブな熱量をそのまま封じ込めたような作品だ。


Kettama はアイルランド・ゴールウェイ出身。自身のレーベル G-Town Records を中心に活動し、ラフで力強いレイヴ・ハウスでヨーロッパ中のクラブを沸かせている。2023年にはダンス・ミュージックのレジェンド Underworld とのコラボを果たし、翌年には Interplanetary Criminal との共作「Yosemite」でヒットを記録。今年は BBC Radio 1 Dance のマンスリーレジデントにも選出され、今もっとも注目される新鋭のひとりだ。



Shady Nasty はシドニーを拠点に活動するポストパンク・トリオ。ジャズの素養を背景に、ノイズとグリッチを織り交ぜた独特の音像で人気を集めている。


一方の「Talk of the Town」は、アイルランドのラッパー Reggie の2022年の同名曲をベースに、UKガラージの旗手 Sammy Virji と共に再構築したリワーク。


重心低めの跳ねるようなビートにエレクトロニックな低音がうねり、Reggieのストリート感あるフロウと、Fred・Sammyによるグルーヴが絡み合う。Fredは自身のニュースレターで「この曲は27分で完成した。最初の3つの要素が完璧に噛み合って、もう何も足す必要がなかった」と語っており、直感の勢いがそのままサウンドに刻まれている。


Sammy Virji は近年のUKガラージ・リバイバルを牽引する中心人物で、北米ツアーもソールドアウトを連発。今年12月には新宿 ZEROTOKYO での再来日も決定している。
Reggie はアイルランド・ダンドーク出身の新鋭ラッパー。Fredとの共演を機に国際的注目を集めており、アイルランドのヒップホップ・シーンを代表する存在へと成長しつつある。



10月末、Fred again.. は「10週 × 10都市 × 10曲」をテーマにこの秋から展開している『USB002』プロジェクトの第5章として、ダブリンに降り立った。初めてアイルランドでプレイした思い出の地 Button Factory でのサプライズ・ギグを経て、メイン会場 RDS Simmonscourt にて3時間におよぶライブを開催。


チケットは発表直後に即完売し、入場時には観客全員にスマホカメラを覆うステッカーが配布された。Fredは「撮るよりも“その場にいる”ことを感じてほしい」と語り、この公演をプロの撮影チームが正式に記録する特別な夜に位置づけた。当日のラインナップは、アイルランド・オールスターとも言える布陣。オープニングはDingle出身の Caolán Ryan、続いてダブリンのWoozy主宰 EMA がベース〜ブレイクビーツを織り交ぜたセットを披露。さらに Fontaines D.C. のメンバーによるDJユニット FDC DJs が登場し、地元シーンと世界的クラブカルチャーが融合する空間を作り出した。

ライブ本編では、「Hardstyle 2」で Shady Nasty の Kevin Stathis がステージに登場し、ノイジーなボーカルで観客を圧倒。続く未発表曲「Did It Again」(TraviS x Elzzz 参加)では、アイルランド・ドリル・シーンとの強い結びつきを示した。さらに「Talk of the Town」では Reggie がサプライズ登場し、Fredと肩を並べて歌い踊るシーンに会場の熱気は最高潮に達した。アンコールでは、アイルランドの人気シンガー Dermot Kennedy の「Lost」のマッシュアップを流し、電子音の余韻に生の声が溶け合うようなラストに。公演を取材した各メディアはこれを「電子音と感情をつなぐ生命体のよう」と評し、Irish Independent も「他では得られない没入体験」と絶賛している。


今週はイベントを休むとSNSで報告しているが、Fred again.. は引き続き『USB002』を通じて、都市ごとに異なるコラボレーションを展開していく予定だ。ヨーロッパ以外での開催も示唆しており、シリーズの今後への期待がさらに高まっている。

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