アルバムは、Afrobeatsシーンのトップを走るFireboy DMLを迎えた「Ecuador」で幕を開ける。熱気と疾走感が一気に立ち上がる、アルバムの幕開けにふさわしいトラックだ。
続く「Entwined」は、Sub Focusが長年コラボを望んでいたと語るGrimesとの共作。Grimesのエーテル的なボーカルと高速ドラムンベースが重なり、90年代UKサイバーパンクの空気をまとった未来的な一曲へと昇華されている。
「Roll Too Deep」は90年代Hip Houseのエッセンスを巧みに取り込み、「Let Your Body Rock」ではテクノ由来の没入感を踏まえた反復構造が際立つ。いずれもフロアのエネルギーを最大化するライブ仕様のダンスツールとしての強度を備える。
さらに、John Summitとの「Go Back」、bbycloseと組んだ「On & On」、鋭利なフロアキラー「Push The Tempo」など、すでに話題を呼ぶシングルも収録。20年のキャリアを貫く美学と、多様な影響が一本のストーリーとして束ねられたアルバムとなった。