NEW RELEASE

John Summit × UKベースの鬼才Rohaan、最新アルバムから深夜のフロアで映える新曲リリース

John Summit, Rohaan - SATA

米シカゴ出身のDJ/プロデューサー、John Summitと、UK出身のプロデューサーRohaanが、新曲「SATA」をリリースした。



今作は、4月15日にリリースを予定しているSummitのセカンド・アルバム『CTRL ESCAPE』に収録される1曲。すでに公開されている「LIGHTS GO OUT」「SHADOWS」「WITH ME」に続く新曲として、その流れの中でもひときわ“夜の匂い”が濃い一作に仕上がっている。



この曲はいわゆる“多幸感系アンセム”ではない。John Summitといえば、近年はテックハウスを基盤にしながらも、より大きなフロアやフェスにも届くスケール感を手にしてきた存在だが、「SATA」はそこからさらに地下へ、そして少し照明を落としたような場所が似合う楽曲だ。派手に開けた空間よりも、低い天井、硬いサウンドシステム、深夜の熱気がこもるウェアハウスでこそ本領を発揮しそうな、ダークでアンダーグラウンドな魅力を備えている。



「何かが始まる」気配を感じさせる、時を刻む時計の音から始まるイントロ。そこから、サウンドシステムでフロア全体を揺らすシンセベースのうねりと、艶っぽく呪術的なスペイン語の女性ボーカルが加わり、一気に空気を変えていく。トライバルなフィルも挟みつつ、140BPMのビートへとなだれ込んでいく流れは、スピード感がありながらも急ぎすぎず、絶妙なバランス感覚を保ちながら、緊張感とともにじわじわと圧を上げていく。



この楽曲の特徴は、やはりRohaanの存在が、この曲にもうひとつ別の重心を与えていることだろう。独特の音響処理が印象的な、主にドラムンベースやベースミュージックを軸に名を上げてきた彼のリズム感、そしてベースは、単にリズムを補強するだけでなく、波のようにうねりながら曲に奥行きを与え、その細かい動きがトラック全体をミステリアスな方向へ引っ張っている。Rohaanのジャンル横断的な感覚との組み合わせが、この曲を単なるコラボ以上のものにしている。

Rohaanは、Hospital、UKF、Zeds DeadのDeadbeats、NoisiaのVISIONといったドラムンベース、そしてベースミュージックの名門レーベル群から作品を発表し、流動的でジャンルを横断するエレクトロニック・ミュージックで評価を高めてきたプロデューサー。デビュー・アルバム『Bleach』も高く評価され、VISIONからのEP『Boy in a Dream』収録曲「Easy for Them」がFour TetやFred again..の目に留まり、近作「El Conde」はJamie xxからも賞賛とオンエアを受けるなど、支持を得てきた。いわゆる“メインストリームEDM”だけでなく、アンダーグラウンドな現行クラブ・ミュージック全体の流れの中でも存在感を増してきたアーティストだ。



そのRohaanがJohn Summitのアルバムに参加する。かつては、テックハウス、UKベース、D&B周辺、メロディックなフェス・シーンといった領域は、もう少し別々に語られていた印象があるが、これは以前からSub FocusやSubtronics、Tape Bなど、ドラムンベースやダブステップなどのベースミュージック勢とも積極的にコラボレーションを行ってきたSummitらしい動きとも言える。



John Summitは、もともとシカゴで会計士として働いていた異色の経歴を持ち、そこから音楽一本の道へ進んだ。テックハウス路線でのブレイクをきっかけに、一気に世界的な人気DJ/プロデューサーへと駆け上がったが、そこで守りに入るのではなく、こうしてよりジャンル横断型で、ダークかつクラブ機能性の高い音へ踏み込んでいるのも特徴的だ。それは、最新アルバムからの先行曲「LIGHTS GO OUT」「WITH ME」といった流れを見ても、その野心が感じ取れる。

・John Summit、アルバム先行曲「LIGHTS GO OUT」リリース。現行ヒップホップの質感も取り込んだクラブバンガー


・John Summit × Julia Wolf、エモ×UKG×テクノ/トランスを横断する意欲作「WITH ME」リリース


John Summitはまず、4月15日にセカンド・アルバム『CTRL ESCAPE』をリリース。加えて、3月末に開催されるマイアミのULTRA MUSIC FESTIVALでも最終日の大トリを担当し、夏にはイビサの最新クラブ[UNVRS]で、毎週月曜にExperts Only名義のレジデンシーを行うことも予告している。Rohaanは、4月のRed Rocks公演のほか、3月のマイアミ・ミュージック・ウィークでは「Bassrush: Drum & Bass Sessions」に出演。
・John Summit 米ULTRAマイアミ2026 最終日大トリに正式決定


「SATA」は、John Summitの進化を感じさせると同時に、Rohaanという別ジャンルの才能とつながることで、ヒットメイカーという肩書きの一歩先へ進む1曲であり、堅実な支持を集めてきたRohaanのキャリアを、さらに広いダンスミュージックのリスナーへ紹介するという単なるコラボ以上の機会と言ってもいいだろう。

今、John Summitがどこへ向かおうとしているのか、そしてRohaanのようなアーティストがなぜいま重要なのか。『CTRL ESCAPE』への期待を高める先行曲としても、大きな印象を与える1曲となった。