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Fred again..『USB002 REMIXES』をリリース、本人が各曲への思いをコメント

Fred again.. - USB002 REMIXES

Fred again..が、昨年末にリリースしたアルバム『USB002』のリミックスEPとなる『USB002 REMIXES』をリリースした。今作はAlexandra Palaceでの4公演をもって一区切りとなったUSB002期を締めくくる作品で、KETTAMA、Oppidan、Lil Silva、Lou Nour、HAAi、Hamdi、Skream & Benga、MC Drickaが参加した全8曲を収録している。



USB002ツアーは、最終公演となったAlexandra PalaceでのDaft PunkのThomas Bangalterとの共演でも大きな話題を呼んだ。Thomas Bangalterのみならず、UnderworldやThe Streets、Skream & Bengaなど、これまでの豪華なゲスト陣の参加も含めて、このツアーは彼の成功を再確認する場ではなく、彼を形作ってきた多様な音楽的ルーツを振り返る“クリエイティブなレジデンシー”とも呼べるものだった。今作もその流れの中で生まれた作品と言える。

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全8曲入りの本作は、単なるリミックス集というより、ここ数カ月にわたって展開されてきたUSB002期そのものを、別の角度から総括した作品でもある。Fred自身もInstagramのストーリーズで、各リミックスについてのコメントを公開し、それぞれの制作背景や、現場でのつながりを明かした。


そこから見えてくるのは、この作品が単なる依頼仕事の集合ではなく、ツアーや共演、長年のリスペクト、現場での反応といった具体的な関係性の中から生まれたものだということ。彼は今回、各曲について音の話だけでなく、「誰とどこで会ったか」「どの都市を一緒に回ったか」「いつからそのアーティストのファンだったか」「最初に聴いた瞬間どう感じたか」までを率直に言葉にしている。そうした意味でも今作は、楽曲集であると同時に、USB002期の空気や人間関係の歴史を刻んだ作品と言えるだろう。

1. solo (KETTAMA remix)

「これはかなり初期にできたリミックスのひとつで、この曲に完全に新しい命を吹き込んでくれた。KETTAMAはこれを、自分にとってまったく違う感情の曲に変えた。モンスター・エナジーとゴールウェイで飲むギネスビール (KETTAMAの持つ爆発力とアイリッシュな土臭さを、Fredがユーモラスに表現)、その組み合わせはとんでもないレシピだよ」





2. FEISTY (Oppidan remix)

「OppはHamdiと一緒にサンフランシスコとニューヨークに来てくれて、あの2人は本当に最高の組み合わせなんだ。しかも実は、Skeptaとやった“London”でも彼女の“Wake and Break”をサンプリングしてる。DJとしてもプロデューサーとしても、彼女は完全にバチッとハマってるし、それを見るのは本当に嬉しい」








3. Winny (Lil Silva remix)

「これは本当にワイルドな旅みたいなリミックスだよ。2012年とかそのへんに、Lil Silvaがプロデュースを手がけたBANKSの“This Is What It Feels Like”で聴いたあのベースの音以来、ずっと彼のファンなんだ。で、彼は“Winny”をまったく新しいジェットコースターみたいな場所まで連れていった」






4. Hardstyle 2 (Lou Nour remix)

「LouはUSB002ツアーを通して、ほとんどレジデントのような存在になっていた。バンクーバーでも、ロンドンでも、改修工事前最後のCorsica Studios公演でも一緒にプレイした。この曲には、このフリップ(大胆な組み替え)が必要だったんだ」





5. the floor (HAAi remix)

「そもそも最初のUSBリリースは、2021年くらいにHAAiとRomyと一緒にやったものだった。だからこれをTeneil (HAAiの本名)がリミックスするのは、なおさら意味があった。しかも彼女とSkin On Skinは、自分たちの人生における最高のオージー(オーストラリア人)2人なんだよ」






6. OK OK (Hamdi remix)

「Hamdiは少し前に“leave me alone”のフリップ(別バージョン)を作ってくれてて、たしかParklifeのバックステージでSonny (Skrillex)が俺たちを引き合わせてくれたんだ。この5カ月くらい、彼がこれを世界中でかけてるのを見るのは本当にヤバかったし、俺もかけてたけどね。今回のこれは、かなり原始的な何かを掘り起こしてる」





7. you’re a star (Skream & Benga remix)

「この曲の最後のドロップが、もう、ほんとに、もう……って感じ。もちろん全部がヤバいんだけど、自分にとっての頂点はそこなんだ。最初にこれを聴いたのはバンクーバーのブースで、そのときSkreamのほう見ながら“今ここで何が起きたんだよ???”って感じだったのを覚えてる」





8. Facilita (MC Dricka remix)

「MC Drickaは、5年くらい前に“Carregado”を聴いて以来、ずっと自分の大好きなブラジル人アーティストのひとりなんだ。あの曲の空間の作り方、プロダクション、そして彼女の声のトーンには本当にぶっ飛ばされた。だからDan (Caribou の本名)と一緒に、この曲を彼女がフリップして (別バージョンを作って)くれたら夢みたいだよねって話してたんだけど、実際まったく期待を裏切らなかった。ここ数回のショーでもこれをかけてるけど、自分がプレイする他のどの曲とも違う場所を占めるんだ。あの空間の感じと、彼女の声の周波数帯は、とにかく異常なくらいパワフルなんだよ」






これらのコメントからも『USB002 REMIXES』は単にFred again..の楽曲を別アーティストがリワークした企画盤ではない。USB002期を通じて生まれたつながりや、現場での熱量を、別のかたちで定着させた作品だ。ツアー最後の4公演やThomas Bangalterとの共演まで含め、USB002期はFred again..が現在のクラブ・カルチャーの複数の流れを束ねた象徴的な出来事でもあった。今回のリミックス集は、その流れを最も素直なかたちで封じ込めた新しい形の『USB002』と言えそうだ。