Credit: Theo Batterham
NEW RELEASE

今年のFUJI ROCKを熱狂させた Fred again.. × CA7RIEL & Paco Amoroso、配信から生まれた新曲「Beto’s Horns」ーツアーは北米編へ

Fred again.., CA7RIEL & Paco Amoroso - Beto’s Horns

UKのプロデューサー Fred again..(フレッド・アゲイン..) が、アルゼンチンのデュオ CA7RIEL & Paco Amoroso(カトリエル & パコ・アモロソ) とコラボレーションした最新作「Beto’s Horns」をリリースした。



本作では、Fred自身による「fred remix」と英国ジャズ・コレクティヴ Ezra Collective によるリミックスが同時に配信。


奇しくもこの3組はいずれも今年の FUJI ROCK FESTIVAL に出演し、それぞれが熱狂的なステージを披露したばかりということもあり、日本のファンにとっては“奇跡の共演”と呼ぶにふさわしい一曲となった。


タイトル通り、楽曲の核を成すのはブラスの炸裂音。リフレインするファンキーなホーンが、Fred印のUKグルーヴと融合し、跳ねるパーカッションとアグレッシブなベースが絡み合いながら躍動する。観客のリアルな歓声が溶け込み、カーニバルとレイヴが交差するような高揚感を生み出している。中盤以降はスピードを増すビルドアップから一転、スロウダウンしたヘヴィなドロップへ展開し、トリッキーで爆発力のある構成がフロアの熱狂を容易に想像させる。一方、Ezra Collective によるリミックスでは、ライブ・ジャズ的な即興性が炸裂。生演奏のドラムとパーカッションが原曲のラテン的エネルギーをよりプリミティブに描き出している。



「Beto’s Horns」は、ファンと共にリアルタイムで制作が進行していったユニークな作品でもある。5月のアテネでのTwitch配信から始まり、マドリードでのライブ配信を経て、最終ボーカルはパリ公演中のTwitchライブで収録された。


MVはパリの「Le Grand Café Bataclan」で撮影され、Fred自身が「彼らが観客の中に飛び込む瞬間をカメラで追った」と語る。撮影を決めたのは公演のわずか数時間前。本人は「史上最高であり最悪のアイデアだった」と笑いつつも、群衆の中でカメラを落とさずに撮影をやり遂げたという。彼は熱狂の渦の中で二人を「僕らとは違う次元の現実に生きる、新しいフォーマットの人間だ」と評し、「書けて、歌えて、プロデュースできて、さらにぶっ飛べる人たち」とSNS上でも称賛。コラボレーションを超えたリスペクトが、この作品全体を包み込んでいる。


本作は、Fredが展開する“無限に進化し続けるUSBアルバム”シリーズ『USB002』のキートラックとして各メディアから高く評価されている。これまで Amyl & The Sniffers、Danny Brown, BEAM & PARISI、Skin On Skin、Caribou、Floating Points、KETTAMA & Shady Nasty、Sammy Virji & Reggie など、バンドからラッパー、クラブ・シーンの重要人物まで幅広いアーティストと共演を重ねてきたが、今作はその流れを受け継ぐ“USB002”フェーズを象徴する一曲となった。

現在進行中の“USB002”は、10週で10曲を発表し、10都市で10公演を行う壮大なプロジェクト。先々週のダブリン公演を経て、ツアーはいよいよ折り返し地点に到達し、Fredは週末の投稿で「WEEK 6〜10は北米編に突入」と発表。第6週となる今週末は、カナダ・トロントでの開催となる。



トロント公演は“USB002”北米編の開幕戦として特別な意味を持つ。Fredは今回の公演で、トロントを拠点に活動するプロデューサー Loukeman とその仲間たちを迎えることを明かし、「ルークマンのスコシアバンク・アリーナでのセットが最高すぎて、彼に“トロントの仲間を全員連れてきてほしい”と頼んだ」とコメント。現地アーティストやローカル・シーンへのリスペクトを惜しみなく表している。



路上と会場、配信と日常の境界を曖昧にし、都市そのものをトラックへと変換していくような制作スタイルは、いまや彼の代名詞だ。「Beto’s Horns」は、アテネ、マドリード、パリでの配信から生まれ、すべての瞬間が公開され、世界中のリスナーがその生成を見守った特別な一曲でもある。音が生まれる“瞬間”を切り取り、CA7RIEL & Paco Amorosoの肉体的なパフォーマンスとともにその哲学を具現化した。そして、FUJI ROCKで日本のファンを熱狂させた3組が再び交わったこのコラボレーションは、『USB002』の中でも確実にハイライトのひとつとして記憶されるだろう。



Fred again..『USB002』過去記事はこちらから

Fred again.. x Amyl and The Sniffersコラボ曲「you’re a star」で新章『USB002』始動


Fred again..、“蝶が舞った夜”をジャケ写に—「その瞬間を翌日のアートワークに」する新曲「OGdub」発表


Fred again..、Skin On Skinと「オリジナル無し」の2リミックスを発表ーApple Music史上初のツアー生配信も決定


Fred again..、Caribou & Floating Pointsとのコラボ2曲を同時リリース、Daft Punkとの歴史的B2Bを経て次章へ


Fred again..がダブリンで見せた魔法の夜、Kettama & Sammy Virjiとのコラボ2曲を連続リリース