NEW RELEASE

『デススト』主題歌で話題のDanny L Harle、PinkPantheress迎えた“クラシック×トランス”新曲発表

Danny L Harle, PinkPantheress - Starlight

UKのプロデューサー Danny L Harle(ダニー・L・ハール) が、人気シンガー PinkPantheress(ピンクパンサレス) を迎えた新曲「Starlight」をリリースした。



Danny L Harleは、近年ではCharli XCXや宇多田ヒカルのプロデューサーとしても知られる A.G. Cook が主宰するレーベル「PC Music」に所属する、先鋭的なプロデューサーの一人。アヴァン・ポップの女王とも称される Caroline Polachek(キャロライン・ポラチェック) の2023年のアルバム『Desire, I Want To Turn Into You』ではグラミー賞にノミネートされ、他にもCharli XCXやRina Sawayamaのプロデュースを手がけている。昨年は Dua Lipa『Radical Optimism』 のメインプロデューサーにも抜擢され、HyperPopからメインストリーム・ポップまで、幅広いフィールドで活躍している。



また彼は、中田ヤスタカが米津玄師とコラボした2016年の楽曲「NANIMONO」でリミックスを担当。さらに、自身の2022年のリミックスアルバム『Harlecore Remixes』には中田ヤスタカが参加するなど、日本との縁も深い。



2024年には、小島秀夫監督のゲーム『Death Stranding 2: On the Beach』の主題歌「On The Beach」をCaroline Polachek、小島監督と共に共同制作し、話題を集めた。


そんな彼の新曲「Starlight」は、名門レーベル「XL Recordings」からのリリース。今年5月にミックステープ『Fancy That』で復活を遂げたZ世代のオルタナティブ・ポップ・アイコン、PinkPantheressをフィーチャーしている。今作は「euphoric melancholy(高揚と哀愁の融合)」というコンセプトのもと、16世紀のバロックやエリザベス朝の叙情的クラシック、90年代ユーロダンス、2000年代のトランスなど、時代とジャンルを横断する要素を融合し、現代のダンス・ポップへと昇華させた意欲作だ。前半ではクラシカルな旋律にPinkPantheressの歌声が静かに重なり、ドラマティックさと浮遊感が共存。サビ以降は、叙情的なメロディとレイヴィーなシンセ、ドラムが炸裂し、終盤にはHyperPop的なディストーションと攻撃的なビートがカオスを生み出していく。


Harleはこの楽曲について、次のように語っている。
「“Starlight”は、私の音楽に一貫して流れる“恍惚とした哀しみ”の感覚を追求した作品だ。モンテヴェルディやジョン・ダウランドといったヨーロッパの作曲家たちの哀愁あるソングライティングの伝統、そして90年代のユーロダンスや2000年代のトランス──たとえばジジ・ダゴスティーノやアリス・ディージェイのようなアーティストたちからの影響が反映されている。
ピンクパンサレスは、この曲における理想のコラボレーターだった。彼女の装飾的なメロディへの愛情と催眠的なリリシズムは、私の音の世界に完璧にフィットしている。」

今作は、近年プロデュースワークが中心だったDannyにとって、2021年以来の自身名義での新曲であり、XL Recordings移籍後初のリリースでもある。この楽曲を携えて、今後のDJ活動やライブパフォーマンスへの展開も期待される。

一方、PinkPantheressはこの7月、「デジタル時代における音楽への貢献と功績」を理由に、英国・ケント大学より名誉音楽博士号を授与されることが発表され、音楽シーンを超えた影響力の広がりを見せている。