
- NEWS
1,700万再生の急上昇ダンストラック AI模倣疑惑でSpotifyから削除
無名アーティストHAVENのバイラルヒット“I Run”が主要サービスから姿を消し、音楽業界に広がるAI検証強化の動き

HAVEN, Kaitlin Aragon - I Run (David Guetta Remix)
David Guettaが、HAVEN.とKaitlin Aragonによる楽曲「I Run」のリミックスを発表した。
本作が特別なのは、現代的なヒットソングが生まれるプロセスそのものが、時代を象徴する大きな話題を伴っていた点にある。楽曲はバイラルヒットの最中、使用されていたボーカルがAIによって生成・加工されたものではないかという疑惑が浮上。さらに、その声がJorja Smithに酷似しているという指摘も加わり、権利やクレジットの在り方が問題視されることとなった。Spotifyは当時「アーティストのなりすましを厳格に禁止している」と公式にコメントし、該当期間中のストリームに対してロイヤリティは支払われなかった。その結果「I Run」は主要プラットフォームから一時的に削除されるという異例の展開を迎える。
1,700万再生の急上昇ダンストラック AI模倣疑惑でSpotifyから削除
しかし、この楽曲はそこで終わらなかった。ボーカルをKaitlin Aragonが正式に担当した再録版がリリースされ、権利関係をクリアにした形で再始動。楽曲は再び評価を取り戻し、UKやオーストラリアを含む複数の国でチャート入りを果たした。バイラルヒットから、正真正銘のヒットソングへとその立ち位置を確立した瞬間だった。
SNS発、AIを巡る議論、再録音、再評価。一見するとネガティヴな結末を迎えても不思議ではない道筋を辿りながらも、楽曲本来が持つ魅力は、David Guettaというダンスミュージック・シーンのレジェンドを動かすまでに至った。。この曲をクラブやフェスのピークタイム・チューンへと引き上げたGuettaのリミックスは、単に流行をなぞるものではなく、「この曲はここまで来た」という到達を明確に示した。
HAVEN.はイギリス出身の新鋭デュオ。AIボーカルを用いた初期アプローチで注目を集め、その後リアルな歌声へと差し替えることで、結果的に象徴的なバイラルヒットを生み出した。そして新たにボーカルとして参加したKaitlin Aragonは、TikTok世代を中心に支持を集めるシンガーソングライターであり、原曲のエモーショナルの核として、このリミックスにおいても強い存在感を放っている。
2026年、David Guettaは「Gone Gone Gone」が1億再生を突破し、RAYEの「WHERE IS MY HUSBAND!」リミックスがUKクラブチャートで1位を獲得するなど、チャート面でも勢いを維持。またNetflix映画『K-Pop Demon Hunters』の楽曲「Golden」のリミックスで、グラミー賞「ベスト・リミックス賞」にノミネートされており、その結果にも注目が集まる。さらに、イビザの[UNVRS]で行われる「Galactic Circus」レジデンシーも2年目を迎える予定だ。