NEW RELEASE

Alison Wonderland、Ninajirachiとの注目コラボ収録の進化系エモ×レイヴ最新アルバム『Ghost World』発表

Alison Wonderland - Ghost World incl. "Heaven" feat. Ninajirachi

オーストラリア出身のAlison Wonderlandが、最新アルバム『GHOST WORLD』をリリースした。



2022年の前作『Loner』以来、約3年ぶりとなる本作は全14曲入り。「居場所を求め続けるすべての人へ」というテーマが掲げられており、Alison自身は「自分の世界を作り直す途中にいる人が、安心して息をつける場所」と表現している。

サウンドはダークなエレクトロからエモーショナルなシンセポップ、レイヴトラップまでを横断。メディアからは「2010年代初期のEDMやCrystal Castlesを思わせるムード」と評されており、先行曲「Get Started」「PSYCHO」「XTC」「iwannaliveinadream」など、クラブと内省が交差する構成が特徴的だ。



なかでもアルバムのハイライトとして位置づけられているのが、新鋭プロデューサーNinajirachiを迎えた「Heaven」。静かなピアノとボーカルから始まり、ドロップで一気にレイヴモードへ加速する本曲は、煌びやかなシンセやハイパーポップ的テクスチャ、メロディックなボーカルが溶け合う構成で、「クラブとエモーショナルなバラードの境界線を溶かした曲」と高い評価を集めている。歌詞には自己受容や迷いといったテーマが込められており、ニュージーランドで撮影されたMVでは、ナイトビジョン調の映像や幻想的な森のカットを通じて、アルバム全体の世界観を視覚的に補強している。


また「Heaven」に続き、「Sirens」もNinajirachiとのコラボレーション曲として収録。こちらはよりクラブ対応のバンガーで、二人のコラボが単なる単発企画ではなく、強固な音楽的相性に基づいていることを示している。


実際、二人の関係性は深く、Ninaがまだ10代だった頃、Alisonに初めて会った際に「あなたがきっかけでエレクトロニック・ミュージックを始めた。15歳のとき、あなたの曲をリミックスしていた」と告白したという。Alisonはその言葉に強い印象を受け、後にスタジオで共作した際には「メロディやテクスチャーの作り方に共通点が多く、本当に自然に一緒に音楽ができた」と振り返っている。


Alison Wonderlandは2015年のデビュー作『Run』で注目を集め、2018年の『Awake』ではBillboardダンスチャート1位を獲得。Coachella、Tomorrowland、EDCなど、世界の主要フェスを中心に活動し、今年4月にはZEROTOKYOで来日公演も果たしている。


一方、Ninajirachiはオーストラリア発の次世代アーティストとして躍進中。エクスペリメンタルなサウンドとハイパーポップ以降の感性を併せ持ち、2025年のデビューアルバム『I Love My Computer』が大ブレイク。トランスやコンプレクトロ、Y2K的なEDM要素をグリッチーでハイパーなサウンド・デザインとポップなソングライティングで再構築し、オーストラリア国内では「今年最も革新的なダンス・アルバムのひとつ」と称賛。



オーストラリア版グラミー賞=ARIA Awardsでは最多8部門ノミネート&複数受賞、Australian Music PrizeやJ Awards(Album of the Year)受賞など、一気に“新世代エレクトロニックの旗手”としての地位を確立した。


またアーティスト名は、ファーストネームの“Nina”と、好きなポケモン“ジラーチ(Jirachi)”を組み合わせたもの。今年の春には櫻坂46の公式リミックスを手がけるなど、日本との縁が深い点も興味深い。
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AlisonはBillboardの最新インタビューで、『GHOST WORLD』を携えた「ビッグなツアー」を計画していると明言しており、リリース週にはインストアでのサイン会やミート&グリートも開催。2026年にかけて各国のフェスや単独ツアーが期待される。


Ninajirachiも2026年にCoachellaやPrimavera Sound Portoなど大型フェス出演が予定されており、すでに国内シーンの枠を越え、グローバルなフェス・サーキットの主要アクトになりつつある。


Alisonの『GHOST WORLD』とNinajirachiとの「Heaven」は、オーストラリアのエレクトロニック・シーンが生んだ二つの大きな才能が交差した象徴的な作品だ。長年フロアとリスナーを魅了してきたAlisonと、新時代の先頭を走るNinajirachi。その邂逅がもたらしたエモーショナルでありながらクラブの熱気にも映える一枚を、存分に味わってほしい。