Devoは、1970年代後半から80年代にかけてシンセポップ/ニューウェイヴの先駆者としてシーンに君臨し、アート性とポップ感を併せ持つ独自の立ち位置を確立したバンドだ。奇抜でありながら鋭いコンセプトを貫き、多くのアーティストに影響を与えてきた。代表曲「Whip It」はアメリカのチャートと MTV 初期時代を象徴する歴史的楽曲であり、そのインパクトは今も色褪せない。
一方でWukiは、エレクトロ、ベースミュージック、ハウスを自在に横断し、2010 年代以降のクラブシーンで確固たる存在へと成長したプロデューサーだ。Diplo主宰のMad Decent、Skrillex主宰の OWSLAなど名門レーベルから作品をリリースし、“現場で機能する”大胆で直感的な楽曲作りが世界中の DJ から支持されている。今年はSkrillexの最新アルバムへの参加を経て、同アルバムのグラミー賞ノミネートにより、自身としては実質二度目となるグラミー賞候補入りを果たした。さらに、コロナ禍から続けてきた“好きな楽曲をリミックスし、可能なものは公式リリースする”というシリーズも節目に到達し、ついに記念すべき 200 曲目を達成。その集大成として発表したベスト・ミックステープ『Beats I Can’t Release Vol.1』は、バズとクラブヒットを同時に獲得できる稀有なアーティストとしての地位を、より確固たるものにしている。