ハウスを軸にグローバルなクラブ・シーンで存在感を放つGordoと、テクノ・ライブの第一人者Reinier Zonneveldがタッグを組んだ新曲「Loco Loco」がリリースされた。
Gordoは、元々Carnage名義で、Avicii「Waiting For Love」のリミックスやTimmy Trumpet、KSHMRとのコラボレーションを通じて、EDM〜ベースミュージック・シーンで活躍してきた。2021年にハウスミュージック・プロジェクトとしてGordo名義を本格始動させると、Drakeの2022年リリースのアルバム『Honestly, Nevermind』、翌年リリースの『For All the Dogs』にプロデューサーとして参加。世界的ヒットとなった「Sticky」や「Rich Baby Daddy」も彼の手によるものだ。さらに、FIFAワールドカップ公式ファン・フェスティバル・アンセムとなったNicki MinajとMalumaの「Tukoh Taka」も手がけ、ダンスミュージックにとどまらず、グローバルなポップ・シーンにおいても存在感を示すプロデューサーとして評価を高めている。
DJとしては、ハウス〜テックハウスを軸に、アフロハウスやラテン、ディープハウス的な要素を織り交ぜたスタイルで人気を集めている。
■ Gordoライブセット
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Reinier Zonneveldは、テクノ・シーンにおいて異色の存在感を放つプロデューサー/ライブ・アーティスト。シンセやドラムマシンなど複数の機材を用いたライブセットを特徴とし、フェスティバルをはじめとする大型ステージからクラブ・イベントまで幅広い現場で存在感を示してきた。2023年、自身が主催したKarren Maarフェスティバルでは11時間11分に及ぶライブセットを披露し、「世界最長のエレクトロニック・ミュージック・ライブ・パフォーマンス」としてギネス世界記録を更新。2024年には、世界で初めてAIとのB2Bセットを披露するなど、テクノのライブ表現に新たなアプローチを持ち込んでいる。
■ Reinier Zonneveldライブセット
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そんな2組がタッグを組んだ「Loco Loco」は、Reinier Zonneveldが数年前に書き溜めていたオリジナルの歌詞と制作スケッチを起点に構築された楽曲だ。デモ段階のトラックをGordoに送付したことをきっかけにプロジェクトが動き出し、彼のDJセットでテストプレイされるや否やフロアで大きな反応を呼んだ。“正体不明のID”としてSNS上で瞬く間に拡散されたこのトラックは、MEDUZA、Vintage Culture、Mind Against、Hugelといったシーンのトップランナーたちがこぞってプレイ。のちにReinier Zonneveldとの共同制作であることが明かされた。
「Loco Loco」は、80sシンセポップの質感をまとったキャッチーなピークタイム・トラック。煌びやかなシンセラインとパーカッシブなリズムが高揚感を生み出し、ラテンのエッセンスを帯びたハウス・グルーヴが楽曲に勢いを与える。スペイン語のフレーズと英語のコーラスが入り混じるボーカルも強い印象を残し、楽曲の個性を際立たせている。
本作の制作過程について、Gordoは複数のデモの中でも「Loco Loco」が最も異質なバージョンだったと振り返る。構成は大きく異なりながらも、ボーカルや楽曲の核となる要素は初期段階から明確であり、その芯をどう活かすかが制作の焦点となった。すぐに完成させるのではなく、一定期間楽曲を寝かせながら方向性を練り上げた結果、バージョンを重ねるごとに完成度は高まり、最終的には、ピークタイムを強く意識した形へと仕上げられていったという。
Reinier Zonneveldも、初期デモはキックとベースの主張が強く、変化の激しい荒削りな状態だったと語っており、試行錯誤を重ねる中で楽曲が段階的に洗練されていった過程が浮かび上がる。最終的なミックスおよびマスタリングについても、両者が強い手応えを語っている。
そして特筆すべきは、本作が二人にとっての「新境地」となった点だ。Gordoは「二つの世界が混ざり合い、僕も君も普段は絶対に作らないようなものが出来上がった。それこそがこの曲の魅力だ」と語り、Reinier Zonneveldも「間違いなく、それがこの曲の一番クレイジーなところだ」と同意する。
80sシンセポップの質感とラテンのエッセンスをまとった本作は、今後さまざまな現場で存在感を放っていくことになりそうだ。