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Spotifyが本気で選んだ”今年のサマーアンセム”30曲発表。レイヴ、アフロビーツ、Charli XCX幻の名曲まで

毎年話題の「Songs of Summer」2025版。この夏のアンセム完全ガイドと5つの音楽トレンド

いよいよ2025年の夏が幕を開ける。今年もSpotify編集部は、文化的背景、音楽トレンド、ストリーミングデータを緻密に分析し、北半球の“夏のサウンド”を象徴する30曲を、5月20日に発表した。



これまでも数々の夏の大ヒットを的中させてきた彼らが選んだ2025年版「Songs of Summer」は、ジャンルや地域を超えて、今この瞬間の空気を映し出すグローバルなプレイリストに仕上がっている。

2025年版 Spotify「Songs of Summer 2025」(アーティストのファーストネーム順)

“Ordinary” – Alex Warren
“NUEVAYoL” – Bad Bunny
“Super” – Bb trickz
“Mystical Magical” – Benson Boone
“All The Way” – BigXthaPlug & Bailey Zimmerman
“party 4 u” – Charli XCX
“My Darling” – Chella
“With You” – Davido & Omah Lay
“NOKIA” – Drake
“YA BABA” – DYSTINCT & French Montana
“Running Around” – Ely Oaks
“Summer Sweat” – Hannah Cohen
“like JENNIE” – JENNIE
“Blue Strips” – Jessie Murph
“Gnarly” – KATSEYE
“How Bad Do U Want Me” – Lady Gaga
“MUTT” – Leon Thomas
“Dark Thoughts” – Lil Tecca
“What Was That” – Lorde
“Shake It To The Max (FLY) – Remix” – MOLIY, Silent Addy, Skillibeng & Shenseea
“Say My Name – Remix” – Morgan Seatree & Florence + The Machine
“What I Want” – Morgan Wallen & Tate McRae
“You’ll Be in My Heart – Spotify Singles” – NIKI
“Love Me Not” – Ravyn Lenae
“Sally, When The Wine Runs Out” – ROLE MODEL
“back to friends” – sombr
“No One Noticed” – The Marías
“Brunette” – Tucker Wetmore
“La Plena – W Sound 05” – W Sound, Beéle & Ovy On The Drums
“Show Me Love (with Tyla)” – WizTheMc, bees & honey & Tyla

選ばれたのはこの30曲。さらにSpotifyが注目した5つの音楽トレンドと、代表的な楽曲を、EDM MAXX編集部の補足も交えながら紹介しよう。

1. レイヴとガラージ:高速BPMが夏を加速させる

EDM MAXX編集部として最も注目したいのはこのカテゴリー。今年はクラブミュージック・シーンの流行がそのまま反映されるかたちで、以下の2曲がセレクトされた。

1月31日にリリースされた、オーストリア出身のプロデューサーEly Oaksによるデビュー・シングル「Running Around」は、すでにSpotifyやTikTokを中心に注目を集め、「#RunningAroundWithOtherWomen」タグが急拡大。ハイテンポなBPMとキャッチーなハウスリフが融合した本作は、ヨーロッパ圏を中心にチャートを急上昇中。“夏のレイヴ感”を体現する現代ダンス・サウンドの代表格と言える。


また、Florence + The Machineによる2011年の名曲「Spectrum (Say My Name)」をMorgan Seatreeがリミックスした「Say My Name – Remix」も、エモーショナルなボーカルとUKガラージのビートが融合した印象的な一曲。世界的なUKガラージの再評価を象徴する選出となった。


2. 世界が踊る:アフロ・フュージョンの爆発

今年もアフロビーツは進化を遂げている。
WizTheMc, bees & honey, Tylaによる「Show Me Love (with Tyla)」や、MOLIY, Silent Addy, Skillibeng, Shenseeaによる「Shake It To The Max (FLY) – Remix」、さらにDYSTINCT & French Montana「YA BABA」などがその代表例。エレクトロニック、R&B、ダンスホール、アラビア語とフランス語など、多言語・多文化を融合したハイブリッドなサウンドが特徴的で、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカをまたいだリズムが世界中のリスナーを躍らせている。




3. 恋の予感に満ちたサマーポップ

この夏を彩る“恋のサウンドトラック”も豊作。Alex Warrenの「Ordinary」、Jessie Murphの「Blue Strips」、sombrの「back to friends」など、エモーショナルでリリック重視の新世代ポップスがプレイリストにラインナップ。甘酸っぱい感情と心の機微が繊細に表現されている。


4. 夕暮れに寄り添う、まったりチル系

激しさだけが夏ではない。涼やかでドリーミーなチル・トラックも人気を集めている。The Marías「No One Noticed」、NIKI「You’ll Be in My Heart」、Ravyn Lenae「Love Me Not」、Hannah Cohen「Summer Sweat」などは、夕暮れ時やゆったりとしたひとときに寄り添うサウンドとして注目されている。


5. カントリー×コラボの進化系

今やカントリーもジャンルを越えて進化中。Morgan Wallen × Tate McRaeによる「What I Want」、BigXthaPlug × Bailey Zimmermanによる「All The Way」など、ポップやヒップホップとのクロスオーバーが加速。アメリカ南部のみならず、世界中の耳を惹きつける存在になっている。


編集部が注目するもうひとつの動きは、Charli XCX「party 4 u」の再評価だ。

2020年のアルバム『How I’m Feeling Now』収録のこの曲が、今年に入ってTikTokで突如バイラル化。特にピッチを上げた2番のリフ部分を使ったリップシンク投稿が人気を呼び、Spotify Viralチャートにもランクイン。5月にはミュージックビデオも公開され、2025年の“隠れたサマーアンセム”として再浮上している。



7月以降も、さらなる“夏のアンセム候補”が続々と登場する見込みだ。たとえば、Bruno Marsとの「APT」で注目を集めたRoseが、Alex Warrenと組んだバラード「On My Mind」は、カントリー×エモの文脈でのヒットが期待される。


また、2009年作のBlack Eyed Peas「Rock That Body」がTikTokで再浮上し、David GuettaやMark Knightによるプロデュースという文脈でダンス・ミュージック視点での注目曲と言っても良いだろう。


ハイBPMのレイヴ・サウンド、アフリカ起源の多文化サウンド、恋愛や内省をテーマにしたエモポップ、そしてカントリーの進化。さらにSNSによって再評価された過去曲。これらの要素が交錯する2025年の夏のプレイリスト。ぜひあなたの「夏のサウンドトラック」を作ってみてはいかがだろうか?