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ラスベガスの球体アリーナ「Sphere」 別都市で“ミニSphere”の開発を計画

収容人数5,000人規模の小型版を構想、より多くのアーティストに対応へ

ラスベガスの球体アリーナ「Sphere」が、新たな市場向けに小型バージョンの開発を検討している。



「Sphere」は、Madison Square Garden Company(現Sphere Entertainment)が2018年に発表し、建築設計事務所Populousが設計を担当。2023年9月29日に開業し、U2の40公演にわたるレジデンシー「U2:UV Achtung Baby Live at Sphere」で幕を開けた。



この会場は、高さ111メートル、幅157メートルの巨大な球体構造で、世界最大の外装LEDスクリーンを備え、収容人数は17,600人(座席)から20,000人(スタンディング)に及ぶ。建設費は23億ドルで、ラスベガスで最も高価なエンターテインメント施設となっている。



Sphereはダンスミュージックシーンでも注目を集めており、Anymaが2024年末から2025年初頭にかけて「The End Of Genesys」と題した公演を開催。2月27日〜3月2日の追加公演を含め、合計約10万人のファンを動員した。最先端のLEDディスプレイとオーディオビジュアル演出を駆使したステージは大きな話題を呼び、最終日にはAnyma自身が新アルバム『The End Of Genesys』のリリースを発表した。本発表についての記事はこちら


Sphere Entertainmentの会長兼CEOであるジェームズ・ドラン氏は、最新の収益報告会で、同社が「ミニ・スフィア」の建築設計段階にあり、中規模都市を候補地として検討中であることを明言。新しい会場の収容人数は約5,000人で、ラスベガスのオリジナル会場の約4分の1に相当する。

この構想は、ラスベガスのSphereが抱える運営コストの高さと、公演可能なアーティストの限られた選択肢という課題への対応策。技術的な特徴を維持しつつ、規模を縮小することで、より多くのアーティストにとって公演しやすい環境を整え、観客にも持続可能なコストで新たなエンターテインメント体験を提供することを狙う。


ラスベガスのSphereでは、出演者が会場全体を覆うLEDディスプレイに対応したカスタムビジュアルコンテンツを制作する必要があり、そのための多額の投資が求められる。これまでのレジデンシー公演では成功を収めたが、小規模な会場であれば、予算や観客動員数のハードルが高いアーティストでもSphereの没入型体験を提供できる可能性が広がる。

現時点では、「ミニSphere」の詳細については明らかにされておらず、続報に期待したい。