“日本の美”をコンセプトに、音楽とファッション、メディアアートを融合したプロジェクト
「FANTASIA」。
そのシリーズ最新作として、『竹取物語』を現代的にアレンジしたステージとDJによるショーなどが融合した「FANTASIA -EPISODE 1 PRINCESS KAGUYA-」が開催されました。
会場内、フロアへと降りる階段には鳥居が立ち並び、うっすらと焚かれたスモークもあいまってか、なんとも神秘的な雰囲気。
ビッグルーム中心の選曲とMCでオーディエンスを煽りまくった
ベースジャッカーズや、ハウシーで大人な世界観を前面に押し出していた
トーマス・ジャック。
トレードマークのバナナ型のバルーンや枕、クッションをフロアに投入したりとエンタメ感満載のパフォーマンスを繰り広げた
ダダ・ライフらも最高でしたが、やはりこの日のDJステージのハイライトといえば
ベースメント・ジャックスと
ナーヴォ。
とにかくポップで明るく、お祭り感あふれるサウンドが特徴の
ベースメント・ジャックス。
“Romio”や“Do Your Thing”、“Jump N Shout”といった自身の往年のアンセムやリミックスを惜しげもなく投入し観客を始終踊らせ、ノンビートのボーカルトラック“Somewhere Over The Rainbow”ではオーディエンスにウェーブが起こるなど、静と動を巧みに使い分けたプレイで盛り上げました。
トリを飾った
ナーヴォは自身のアンセムはもちろん、アクスウェル&イングロッソの“More Than You Know”やドン・ディアブロの“Momentum”などビッグルーム〜トラップ、フューチャーハウスアンセムを続々投入しオーディエンスは大熱狂。
最後はニッキー・ロメロとのコラボ曲“Like Home”とマーティン・ギャリックスの“Pizza”のマッシュアップでフィナーレを迎えました。MCでは「イチ、二、サン」と日本語で煽ったり、ラストは日本の国旗を掲げて「アリガトウ!」と叫んだりと、持ち前のサービス精神をいかんなく発揮していたのも印象的。
そして本祭が新感覚たるゆえんはステージで展開された『竹取物語』をモチーフにしたショー。
竹から生まれたかぐや姫が、貴公子や帝に求婚されながらも断り、月に帰ってしまうという大筋のストーリーは一致していましたが、本祭ではそこに現代的な演出をプラス。
空中サーカスさながらのアクロバティックなエアリアルパフォーマンスやBMX、ホイール、スティルト(西洋竹馬)などを駆使した演目、ヴァイオリニストの相知明日香による生演奏にかぐや姫役の歌姫May’nの生歌など。
DJプレイとこうしたショーを交互に展開する構成に驚いている様子だったオーディエンスからも、思わず「すごい」という賞賛の声と拍手が湧き上がっていました。
さらに会場には、ダンスフロアとは別にイマーシブ(没入型)シアターも存在。
屋台が建ち並ぶメインストリートがあり、そこから迷路のように左右にいくつもの道が別れていて、道の先には神社や庭園、竹林などを模した空間が。
イマーシブシアターではこのほか、酒蔵で日本酒の試飲ができたり、座敷で習字ができたりと様々な日本文化が体験できるのですが、フロアマップや案内もない迷路のようなシアターを歩く気分は新鮮で、何が起きるのかわからない楽しさがありました(そういう意味でも新感覚)。
ほかにも会場では、手裏剣を投げる忍者体験(!)や茶道体験といった興味深いワークショップも。
とにかく内容盛りだくさんの「FANTASIA」。古き良き趣のある日本を満喫した人も多かったのではないでしょうか。
FANTASIA -EPISODE 1 PRINCESS KAGUYA-
2017年11月18日(土)13:00〜21:00
幕張メッセホール9, 10, 11(千葉)
BASEMENT JAXX [DJ SET], Bassjackers, DADA LIFE, NERVO, Thomas Jack, banvox, ALISA UENO
前売 12,000円
http://www.fantasia.tokyo
Text by EDM MAXX編集部