EDITOR'S PICK
EVENTS

Alok 来日公演 特集:ブラジルから世界を揺らすグローバルスターDJに迫る

5月23日・新宿ZEROTOKYO来日。フォロワー2,900万人以上、南米から世界を揺るがす世界トップDJの経歴と代表曲を紹介

まずAlok(アロック)を紹介する前に、彼の現在の人気の凄さを証明するこのライブ映像で特集記事を始めたいと思う。


そんな破竹の勢いで南米から世界を揺るがすトップDJ Alokが、2025年5月23日、東京・新宿ZEROTOKYOに来日する。この特別な一夜を前に彼の音楽的背景と進化、そしてその魅力を改めて紐解こう。

文:TJO

近年、EDMを含むダンスミュージック・シーンにおいてブラジル出身のDJの勢いは増すばかりだ。先日来日を果たしたばかりのVintage Culture、ハウス・シーンの台風の目Mochakkなど、南米だけではない層にまでその人気は飛躍し、世界的なムーヴメントを起こしている。その中心に立つのがDJのAlok (アロック)といっても過言ではないだろう。南米由来の力強いビートとグルーヴ、それだけにとどまらないポップスとの絶妙な融合。そのすべてを内包した彼のサウンドはいまや世界のダンスフロアを熱狂させている。



・ブラジル発、世界のトップDJへ

ブラジル・ゴイアニア出身のAlok (本名:Alok Achkar Peres Petrillo – アロック・アチカル・ペレス・ペトリッロ)は、1991年生まれ。両親はブラジルのサイケデリック・トランスの先駆者であるDJ SwarupとEkantaで、彼らは「Universo Paralello」なるフェスティバルの生みの親でも知られる。彼の名「Alok」は、両親がインドで出会ったスピリチュアル・リーダーから授かったもので、サンスクリット語で「光」を意味する。 そんな環境の中で育ったAlokは10代から音楽制作を始め、双子の兄弟Bhaskarと共に「Logica」というサイトランス・ユニットを結成。


その後2010年代に入るとソロ・キャリアをスタートし、「ブラジリアン・ベース」というブラジル発のEDMサブジャンルを中心に人気を集め、彼は同国のダンスミュージック・シーンにおいて最も著名なアイコンの一人となった。


2014年と2015年にはHouse Mag誌によって「ブラジルのベストDJ」に、翌年にはDJ Mag誌によって世界のトップ25に唯一のブラジル人として選出。 2017年にはブラジル版Forbes誌から同国で最も影響力のある30歳以下の人物の一人に選ばれた。


中でも世界的ブレイクのきっかけになったのは2016年にリリースされたBruno Martini & Zeebaとの「Hear Me Now」だろう。牧歌的なメロディに、トロピカル・ハウスとディープ・ハウスが融合したこの楽曲は、南米発のEDMとしては異例のグローバルヒットとなり、SpotifyやYouTubeでの再生回数が数億回を突破。以降、彼は世界のEDMシーンでの確固たる地位を築いていく。



「メロディ」「感情」「多様性」を基礎にした音楽性で、ハウス・ベースにブラジル音楽やラテン、アフロ、ディスコなど様々なジャンルを自在にブレンド。日常のBGMとして人々の感情を動かす美しいメロディとクラブのサウンドシステムでフロアを熱狂させるダンス・ミュージックとしても同時に機能させるその音楽性で人気を博し、The ChainsmokersやArmin van Buuren、Steve Aoki、Timmy Trumpetらダンス勢からKylie Minogue、Bebe Rexha、Ava Max、John Legendといった国際的なシンガーともコラボ。またEd Sheeran、Dua Lipa、The Rolling Stonesなどの公式リミックスにも抜擢され、中でも2019年のMeduzaの世界的ヒット「Piece Of Your Heart」のリミックスは2億回以上のストリームを記録し、翌年のインターナショナル・ダンス・ミュージック・アワードの「ベスト・リミックス」賞を受賞する栄誉も獲得した。


2022年には、NYハウスの伝説Kenny DopeがThe Bucketheads名義で1994年にリリースしたクラシック「The Bomb!」をサンプリングした「Deep Down」をNever Dullと共に発表。この曲はビルボード・ダンス・チャートで4週連続1位を獲得し、彼の名はさらに世界的に知れ渡ることになる。同年にはIBIZA名門クラブ「Hï Ibiza」でのレジデンシー・デビューを飾る。現時点でSpotifyで月間2,000万人以上のリスナーを持ち、Instagramでは2,900万人以上のフォロワーを誇る。この数字はDavid Guettaが1,151万、Martin Garixxが1,544万という世界的DJのフォロワー数と比べても圧倒的だ。


DJとしてもTomorrowland、Ultra、など世界最大級のフェスティバルでのヘッドライナーも務め上げ、先日行われたアメリ最大のフェス「Coachella」にも出演したばかり。SAHARAステージの2日目トップバッターを飾り、Armin van Buurenとのコラボ「Euphoria」や、Kylie Minogueを迎えた「Last Night I Dreamt I Fell in Love」など最新のヒット曲はもちろん、中盤にはAva Maxをサプライズ登場させ彼女の代表曲「Sweet But Psycho」や両者のコラボ曲「Car Keys」を披露した。


中でも腕、手、指を巧みに操るタットダンスと呼ばれるダンスで、世界的人気を博すイタリアのダンスグループ「Urban Theory」を招いて、人力でVJ映像を再現するかのようなグループダンスによる演出は、本人が「Keep Art Human」と書かれたTシャツも着用し、AI時代における“人間らしさ”の表現として大きな話題を集めた。


そしてDJ Magの「Top 100 DJs」では、2021年から2024年まで4年連続で世界第4位にランクインし、ブラジル人として最高位を維持している。


・DJだけにとどまらない活動

その活動の幅はアーティストとしてのみならず、2015年にはレーベル「UP Club Records」を、2019年には世界的EDMレーベルのSpinnin’ Recordsとの提携レーベル「Controversia」をスタートさせ、自身はもちろん実弟BhaskarやYves Vの楽曲をリリース。また音楽シーンを超えた人気で、2019年にはモバイル・サバイバルシューティングゲーム「Garena Free Fire」のキャラクターとなり、Dimitri Vegas & Like Mike & KSHMRと共に同ゲーム4周年記念に「Reunion 」を発表した。



また彼は自身の非営利団体「Alok Institute」を通じて、ブラジルの先住民コミュニティやアフリカの貧困地域への支援を行い慈善事業を運営。2021年にはBillie EilishやBTS、Elton Johnらとともに「Global Citizen Live」シリーズに参加し、貧困と気候変動を支援するため、ブラジル・アマゾンの熱帯雨林から現地の先住民族の伝統的な音楽とエレクトロニック・サウンドを融合させたパフォーマンスを行うなど、アクティビストとしても積極的に活動している。



・押さえておくべきAlok 5曲

1. Hear Me Now (with Bruno Martini feat. Zeeba) (2016)
彼の名を世界に知らしめたアンセム。センチメンタルなメロディが胸に刺さるトロピカル・ハウスの金字塔。今なお世界中で愛され続ける名曲だ。こちらは自身が手掛けたフロア向けの現場リミックスで。


2. Don’t Say Goodbye (with Ilkay Sencan feat. Tove Lo) (2020)
Tove Loのボーカルが冴える、フロア向けのクラブチューン。フューチャー・ハウスの尖った音像とポップスの融合が光る。


3. Deep Down (with Ella Eyre, Kenny Dope, Never Dull) (2022)
90年代を代表するNYハウス・クラシックを現代にアップデートし、SNSを中心に大きなバズを生み出し大ヒット。Alokの音楽性の幅広さとポップスに対する臭覚の鋭さを象徴する1曲。こちらはより臨場感の伝わるライブビデオで。


4. Higher State Of Consciousness (with Firebeatz) (2024)
Alokのダンス・ミュージック的側面にフィーチャーしたフロアバンガー。Josh Winkによる90年代アシッドテクノの名曲をオランダのFirebeatzと共に、レイビーかつハイエナジーに仕上げた。


5. Friday, I’m In Luv (with Alan Fitzpatrick, bbyclose) (2025)
Alokの今年発表されたばかりの最新ダンス・ヒット。テクノ・シーンの重鎮Alan Fitzpatrickとbbycloseを迎え、フロアライクでありながらポップとして機能するAlokのプロデュース能力の力量を見せつけてくれる。


文化や国境、ジャンルの垣根を超えて音楽を紡ぎ、社会的な影響力も発揮するスターDJ Alok。そんな彼の新宿ZEROTOKYOでのおよそ8年ぶりとなる来日公演は、現在の進化を体感できるするまたとない機会になるだろう。

【パーティー詳細】

2025.5.23(金) ALOK at ZEROTOKYO

OPEN 11:00PM
HP:https://zerotokyo.jp/event/alok-at-zerotokyo0523/  
DOOR:TBA
EALY BIRD : ¥4,500- (優先入場・入場料金含む) 
FASTPASS TICKET:¥5,000- (優先入場・入場料金含む) 
U-25 TICKET : ¥4,500- (優先入場・入場料金含む) 
🎟️ZAIKO https://zerotokyo.zaiko.io/e/alok-0523

【Z HALL】〈EDM / HOUSE / TECHNO〉
SPECIAL GUEST : ALOK
DJ : TJO / VIVID

【RING】〈ALL MIX〉
-KAWAII MONSTER PARTY-