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Lucas & Steve インタビュー特集:日本でのDJプレイや新曲、刻々と変化するダンスミュージックシーンを語る

親日家として知られるLucas & Steveが2024年夏以来半年ぶりに来日

オランダのDJ/プロデューサーLucas & Steve(ルーカス&スティーヴ)が2024年8月以来、約半年ぶりに来日。新宿・ZEROTOKYOでの来日公演をはじめ、マスタークラスや暗闇バイクエクササイズ『FEELCYCLE』とのコラボイベントが行われた。
そんなLucas & SteveにEDMMAXX編集部よりDJ YU-KIがインタビューを敢行。日本でのDJプレイの印象や新曲「Lift Me Up」、刻々と変化するダンスミュージック・シーンについて話を伺った。



DJ YU-KI:昨年(2024年)の夏以来の来日となりますが、日本についてどんな印象を持っていますか?

Lucas & Steve:昨年の夏は、気温37度くらいの中、S2O JAPANのステージに立ったのを覚えています。そんな暑い中でもファンの皆さんの熱気が凄くて、とても楽しくてクレイジーでエネルギッシュな時間を過ごしました。今回(2月)は涼しくて過ごしやすいから、クラブでパーティーするにはちょうどいい気温かなと思います。日本は四季折々の美しさがあっていいですよね。また日本に戻って来れたのが嬉しいし、ZEROTOKYOでのプレイが楽しみです。

■ S2O JAPAN 2024 Lucas & Steveライブセット


DJ YU-KI:Lucas & Steveの日本でのプレイをファンは心待ちにしていました。日本でのDJプレイの印象はいかがですか?

Lucas & Steve:日本はやっぱり世界で一番プレイしたい国です。それは紛れもなくファンのみなさんのおかげです。日本のファンは本当に熱心で、信じられないほど忠実。僕たちのことを何でも知っていて、時には「ちょっと知りすぎでは?」と思うこともありますが(笑)それも愛の証ですよね。
それに、僕たちが作る音楽に本当にのめり込んでくれている。 だからこそ、パフォーマンスするのが楽しいし、新しい音楽を作るモチベーションにもなるんです。



(Photo by ZEROTOKYO’s X)


DJ YU-KI:プレイの際にお二人は日本語でフロアを煽ったりすることもありますが、今回の来日で新たに覚えた日本語があれば教えてください。
Steve:日本語を覚えたいと思うのですが、難しくてできません。Lucasの方が少しはマシかな。
Lucas:そうだね・・・新しく覚えたのは「くだもの」!それらを食べたときにこれも言うよ「マジおいしい」



DJ YU-KI:今回の来日では、来日公演に加えて暗闇バイクエクササイズ『FEELCYCLE』とのコラボイベントも実施されました。お二人は普段から何か運動をされますか? さらに、エクササイズにおすすめのLucas & Steveの楽曲を3つ教えてください。

Lucas & Steve:日頃から2人とも運動はしているよ。Lucasはジムに行ったり、ランニングをしたりするのが好き、Steveはサッカーをするのが好きなんだ。今回のイベントでは、最初の30分間DJをして、その後15分間バイクに乗ってエクササイズをしたよ、背中が筋肉痛になったね(笑)


 
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<エクササイズにオススメのLucas & Steve楽曲3選>
1.「Free Your Mind
2.「Lift Me Up
3.「Source

Lucas & Steve:「Free Your Mind」はTiëstoとのコラボレーションでワークアウトにぴったりなエネルギッシュな楽曲だね。そして「Lift Me Up」。BPM132の楽曲なので、かなりスピーディーに動けそう。 もう一段ギアを上げて自分を追い込む時にオススメだね。そして僕たちらしいクラシックな楽曲もチョイスしようかな。「Source」なんてどう?少し落ち着いた流れも必要でしょ。一度ブレイクを入れて、落ち着かせてから、またビルドアップして盛り上げていく。流れに乗って身体を動かしていくのが理想だね。




DJ YU-KI:1月24日に新曲「Lift Me Up」がリリースされました。制作にあたって最も意識したポイントを教えてください。

Lucas & Steve:新曲「Lift Me Up」はBPMが132あって、今まさに僕たちがハマっている新しいタイプのエネルギッシュな楽曲です。メロディックな要素も取り入れていて、グルーヴ感がとても大事なポイントとなっています。今までのLucas & Steveの心地よいグルーヴ感とはちょっと違って、しっかりとしたビートとエネルギッシュな側面を持っています。制作段階で、自分たちでもこれはいい曲になるという確信があって、リリース前から、Alessoがプレイするなど注目を浴びました。そして有り難いことに、リリースされたばかりなのに、既に多くのDJたちがプレイしています。この曲はどんなセットにもフィットする汎用性の高い楽曲です。セットの最初にプレイすることもあれば、アップテンポなので後半に持ってくることもできる。 どのタイミングでもフロアにしっかりと響くトラックです。



DJ YU-KI:現在のダンスミュージックシーンの流れ・トレンドについてお二人が思う事、そして最近注目しているアーティストなどを教えてください。

Lucas & Steve:メインステージテクノは勢いがあるよね、僕らはあまりやらないけど、ハードテクノもクールだ。そして、今のトレンドといえば、やっぱりハウスミュージックやテックハウスかな。 特にDom DollaやJohn Summitは、大きなステージで活躍しているよね。僕たちにとっても、これはすごく面白い流れで、というのも、僕たちも以前からこのスタイルの音楽を作ってきたし、今まさにそのトレンドに乗っていると思うから。特にクラブミュージックに関しては、過去数年の中でも今が一番成功していると感じていて、例えば「Free Your Mind」はMartin GarrixやAlessoをはじめ、多くのアーティストがプレイしてくれていて、本当にたくさんのサポートを受けています。これは、僕たちの音楽スタイルが進化しながら、シーンの流れにもマッチしている証拠だと思います。今後もこの勢いをキープしながら、新しい音楽を届けていきたいです。



DJ YU-KI:今回の来日では、2回目となる音楽制作ワークショップ(マスタークラス)が行われます。日本の若手クリエイターに向けてメッセージをお願いします。

Lucas & Steve:まずは前回参加してくれた皆さん、ありがとうございました。またマスタークラスを開催できて嬉しいです。
前回と違う点は、よりインタラクティブな要素を取り入れていることです。ステム(楽曲の各パートの音源)を送ってもらい、一緒に聴きながらその場でアレンジを加えます。これは、参加者にとってはワクワクする瞬間でもあり、少し緊張する瞬間でもあると思うんです。なぜなら、自分の作った楽曲をクラス全体に公開することになるから。でも、みんながそこから学べるのが大事なポイントですね。僕たちが伝えたいのは、自分の音楽や情熱を他のアーティストと共有し、お互いに学び合おうということ。これは、僕たちが掲げている『Lucas & Steve CNNCT』のマスタークラスのコンセプトそのものです。

そしてもうひとつ大事なのは、“よく聴くこと” ですね。好きなアーティストやプロフェッショナルの音をしっかり聴き、最初は真似してみる。そこから自分なりのサウンドを作り上げていく。これは、僕たちが考える最も良い学び方だと思います。




DJ YU-KI:最後に、日本のファンのみなさんにメッセージをお願いします。

Lucas & Steve:まず初めに、日本に戻ってこられて本当に嬉しいです!
ここに来るたびに、まるで夢が叶っているような気持ちになります。正直なところ、日本を離れた瞬間から日本が恋しくなってしまうんです。だからこそ、また戻ってこられて本当に最高の気分です!
そして、ZEROTOKYOでのパーティーを楽しみにしています。新曲もたくさん持ってきましたし、めちゃくちゃエネルギッシュなセットをお届けするので、みんなと一緒に最高の夜を作れることを楽しみにしています!皆さんのサポートに本当に感謝しています。

Interview by DJ YU-KI



【Lucas & Steve プロフィール】
Lucas de WertとSteven Jansenからなるオランダ出身のデュオ。日本では“ルカステ”の愛称でも親しまれている。
「Where Have You Gone (Anywhere)」 や 「Perfect」 は、Spotifyの再生回数が1億回を突破するなど、Future House、Future Bounceのトップアーティストとして君臨。耳に残る美しいメロディと強力なビートの融合で、世界中のダンスフロアを熱狂させてきた。
親日家として知られるLucas & Steveは、2024年に開催されたS2O JAPAN以来の来日を果たす。
「トウキョウ!俺らはルカステ、楽しんでください」という挨拶とともにスタートした、2月7日(金)のZEROTOKYOでの来日公演は、最新ナンバーをはじめ、Afrojack、Dubvisionとの「Anywhere With You」や「Say Something (RetroVision Remix)」などのヒット曲はもちろん、Mrs. GREEN APPLE「ビターバカンス」のLucas & Steve Remixをサプライズで披露。日本愛溢れる100分間のセットで観客を魅了した。