アメリカ・ケンタッキー出身でロンドンを拠点に活動しているハウスDJ/プロデューサーThe Blessed Madonna(ザ・ブレスド・マドンナ)が待望のデビューアルバム『Godspeed』をリリース。
2010年代前半よりアンダーグラウンド・ハウス・シーンを中心に活躍し、シカゴを代表する老舗クラブ「Smarbar」でクリエイティブディレクター兼レジデントDJを務めるなど着実なDJキャリアを築き上げきたThe Blessed Madonna。Dua Lupaの2ndアルバム『Future Nostalgia』に収録されている楽曲のリミックス・ヴァージョンにノンストップDJ MIXを施した『CLUB FUTURE NOSTALGIA(MIXED VERSION)』はアンダーグラウンドシーンに留まらず大きな話題を呼んだ。また、2021年にリリースされたFred again..の「Marena (we’ve lost dancing)」は彼女の声がサンプリングされており、ビルボードのホットダンス/エレクトロニックソングチャートで33位を記録、アカデミー賞にノミネートされた「Triangle of Sadness」の劇中歌としても使用されている。
昨年6年ぶりに来日を果たし、単独来日公演を行ったほか、FUJI ROCK FESTIVALに出演。アルバム収録楽曲を含めたグルーヴィーなハウスセットで観客を大いに盛り上げた。
そんなThe Blessed Madonnaがデビューアルバム『Godspeed』をリリース。
カイリー・ミノーグのようなポップ界の大スターから、A-TrakのようなUSアンダーグラウンドの中心的存在、Joy Anonymousのようなブレイク・アクト、ハウスミュージックの伝説的シンガーJamie PrincipleやDJ E-Clypsなど、豪華コラボレーターを起用した全24曲が収録。約4年の歳月をかけて制作されており、アンダーグラウンド・エレクトロニック・ミュージックにおける彼女のルーツへのオマージュ作品となっている。
そんな豪華アルバムの中でThe Blessed Madonnaが“特にお気に入り”として挙げているのが「Brand New」。
アイルランドのシンガーソングライターJames Vincent McMorrow、そしてDJ・ターンテーブリストでプロデューサーのA-Trakと初めてタッグを組んだ作品だ。Jamesのヴォーカルと詞が、80年代後半から90年代初頭に聞かれたような、ハウスと高揚感あふれるネオソウルを想起させ、それが今作の出発点となったという。作中ではクワイアが随所に入っており、多幸感を演出しているが、これは3人の声を40回程重ねてできたものだという。また、スクラッチは作品の完成が近づいたタイミングで「忙しいのはわかっているけど、このレコードでスクラッチを入れてくれない?」というDMをA-Trakに送り、実現した。
ほかにも、Clementine Douglasをフィーチャーしたソウルフルなハウストラック「Happier」や昨年の来日公演でも披露されたディスコハウスバンガー「Mercy」や「Serotonin Moonbeams」も収録されている。
アルバムリリースに際し、The Blessed Madonnaは次のようにコメントしている。
「Godspeedという言葉は旅の始まりを表すこともあれば、終わりを意味することもあります。このアルバムは歓迎と別れの両方を象徴していて、野生の馬のように丘を駆け巡る日々や、終わりのない夜を描いたものです。約1年のロックダウンを経て、このアルバムを作ることが決まり契約書にサインした時、ケンタッキーにいる父にその喜びを伝えました。父は抑えきれないほどの誇りと、ある意味で安心感を感じていたようです。アルバムの冒頭では、父が私よりも上手にその気持ちを語っています。最初のセッションの数週間前に父を突然失いましたが、彼の声は『Godspeed』に永遠に刻まれ、このアルバムを聴くすべての人々と共にこれからも何度も旅を続けるでしょう。さあ、踊りましょう。」
■ カイリー・ミノーグ参加のアルバム収録曲「Edge of Saturday Night」の記事はこちら