そんな3年ぶり、3枚目となる最新アルバム『Smile! :D』を発表した。今年の春先から本人のSNSアカウントでも示唆されていた通り、パブリックイメージとなるエレクトリック・ミュージック、DJ的な要素は影を潜め、代わりに初めてのギター演奏にも取り組んだ、インディーロックを大々的に取り入れた意欲作となった。だがそこにはダンス・ミュージック、ポップ・ロック、J-POPなど様々な要素がクロスオーバーしながらも彼らしい唯一無二の音楽性や切ない世界観が表現されている。先行配信されたシングル「Cheerleader」ではギターを掻き鳴らす印象的なMVで新しいスタイルを提示し、「Knock Yourself Out XD」に続く「Russian Roulette」では後半にレイヴ感ある打ち込みビートを織り交ぜフレッシュな展開を聞かせてくれた。「Kitsune Maison Freestyle」でもダンスとポップを見事に融合させ、これら4曲を含む全10曲のアルバムは、本人曰く自身のキャリアの中で「最も楽しく、最も傷心しているアルバムかもしれない」と語るほど、臆病で内気な本来の自分と、誰も止めることのできないポップな存在の二面性が幅広く表現された作品に仕上がっている。