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ULTRA MUSIC FESTIVAL 24′ DAY2 レポート

David Guetta、Martin Garrix、そして待望のリベンジHardwellなど、2日目のハイライトをまとめ

米マイアミで3月22、23、24日に開催されているULTRA MUSIC FESTIVAL 24’。

ULTRA MUSIC FESTIVAL 24′ DAY1 レポート
ULTRA MUSIC FESTIVAL 24′ DAY3 レポート

2日目は前日の豪雨の影響で16時からスタートが遅れタイムテーブルにも変更が。ただULTRAオフィシャルからも開催時間の延長が発表され、その結果初日にキャンセルの影響でプレイできなかったHardwell、Joris Voorn B2B Kolschなどが待望のリベンジを果たす事となった。
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新しく更新された2日目のタイムテーブル
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ここでは配信を行ったDJを中心に振り返っていこう。

・WORLDWIDE STAGE

前日のArmin Van Buuren率いる「A State Of Trance」から打って変わって2日目はダブステップ、ドラムンベースなど中心としたベース・フロアに。Kill The Noise & Bro SafariによるユニットKill Safariやドラムンベース界の新鋭Hedex、さらにSeven Lionsなどが華を添えた。

中でも印象的だったのは昨今のドラムンベース・ブームの立役者として、イギリス版“グラミー賞”「BRIT Awards 2024」の年間最優秀プロデューサー賞を受賞。ジャンルを超えて熱い支持を集めるシーンのトップ・ランカー = Chase & Status。近年大型EDMフェスのメインステージでもプレイされることが多くなったドラムンベース。ステージを埋め尽くす観衆の多さを見てもその期待値がうかがえる。MCを従え自身のヒット曲とブロアライクなハードなサウンドを上手く混ぜ合わせ会場を盛り上げ、昨年の代表曲となった「Baddadan」で会場もピークに。盛り上がった曲をあえて止めて、再度イントロからかけ直すドラムンベースカルチャーの定番手法「リワインド」も披露。



そしてこのステージの大トリはベースシーンで圧倒的な人気を誇るRL Grimeと「dashstar*」の大ヒットで一躍時の人となったKnock2のB2B。
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1曲目から二人の未発表コラボでスタートという豪華さ


さらにはRL Grimeのレーベル「Sable Valley」からもリリースし、Knock2の盟友でもある注目のDJ = ISOxo (アイソーエックスオー)も登場し、3人による未発表も投下。ステージのフィナーレに相応しいパフォーマンスを見せてくれた。


RL Grime B2B Knock2フルセット動画




・RESISTANCE

ブラジル出身の人気ハウスDJ = Vintage Culture。ヒット曲「Tudo Bem Tudo Bom」やMaverick Sabre参加で現在チャートを賑わせている「Weak」など自身の楽曲に加え、ODD MOBなどの現行テクノシーンのアッパーなライン、さらにはX-Press 2「Lazy」などのクラシックをバランスよく織り交ぜながらグルーヴィーなセットで魅了した。



Anyma率いる大人気クルー「Afterlife」の兄弟デュオ = Mathameもテクノのみならず、Steve Angello & Sebastian Ingrosso – SkipやProxy – Ravenなどハウスやエレクトロなどを取り入れ、さらにはKanye West – CARNIVALの自身のリミックスやFred again.. & Skrillex & Four Tet – Baby Again..から突如として昨年の大ヒット・ダブステップ = HOL! – Country Riddimを落としこむなどEDMフェスも意識したジャンレスでアッパーな面白い選曲を聞かせてくれた。


またAI生成によるMVも話題となったJohn Summit との「Hungover」や近年のSwedish House MafiaやFred again..のプロダクションに欠かせない存在となった気鋭のプロデューサーデュオ = PARISIとの新曲「Angels」も披露。



The Coveステージのトリを飾ったのは、Carl CoxやOliver Heldensの変名HI-LOとのコラボなどで現行テクノシーンの重要レーベルとなった「Filth On Acid」のオーナーでもあるReinier Zonneveldによるライブセット。テンポ速めでレイヴ感満載のアッパーな流れは昨今のレイブ回帰したシーンを象徴するセットともいえるだろう。



・ULTRA MAIN STAGE

遅めのスタートとなった事でKSHMRやGryffinのセットから始まるというある種、豪華なスタートを切ったメインステージ。中でもSteve Aokiはゲストを多数迎えての派手な演出でフロアを鷲掴みにした。Jay-Z率いるRoc Nation所属のLAのラッパー = Kalan.FrFr(カラン・フルフル)、2014年のヒット「Hideway」のKiesza(カイザ)は同曲の2024年バージョンを披露。女性シンガーKiddoとは間もなくリリースされる予定のムーンバートン調のポップス「Drive」を、そしてパンクロック・バンド = Yellowcard、Bassjackersまで立て続けに登場し、ジャンルを超えたAokiの交流の幅広さを象徴していた。中でも1番のサプライズだったのは90年代後半〜2000年代のヒップホップ、R&Bを中心に世界的影響力を持っていたスーパー・プロデューサー = Timbalandだろう!Aokiによる「The Way I Are」のEDMバージョンと、Justin Timberlakeに提供した「Cry Me A River」のAokiとW&WによるRAVEバージョンで会場を沸かしてくれた。


さらにAokiは我々日本人にとって嬉しいサプライズも用意してくれていた。まずはアニメ「鬼滅の刃」のOP「紅蓮花」を主人公=竈門炭治郎の声ネタも使いながらハード系プロデューサーのDimatikと共にカヴァー。サビの部分でしっかり会場が盛り上がっている光景が見ていてとても嬉しかった。


最後は世界的アニメ「ドラゴンボール」のテーマ曲「魔訶不思議アドベンチャー」をプレイ。先日亡くなった漫画家の鳥山明氏へMCで追悼を捧げ、そこから自身の代表曲 = Kid Cudi – Pursuit of Happiness (Steve Aoki Remix)に繋いで粋な演出を見せてくれた。



そして嬉しいサプライズとえいば前日の豪雨によるキャンセルでの悔しい思いから一転、現地でも熱望されていたリベンジを果たしたHardwellだろう。再びステージに立てた喜びを込めたMCと共に会場のボルテージはピークへ。


フェス・アンセム、Zombie Nation – Kernkraft 400からHardwell & Blasterjaxx & Maddix による今週リリースの新曲「16」をマッシュアップしたりとビッグ・ルーム・テクノを中心にパワフルなステージング


途中、Armin Van Buurenをステージに招き入れ、彼との新曲「Follow The Light」も披露した。

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Hardwellフルセット動画




そしてHardwellに続くのはダブステップ・キング = Excisionだ。
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ハード系アンセムで知られるThe Cranberriesの自身の「Zombie」カヴァーから始まり、


昨年のアンセムCountry Riddimでは、彼のショーではすっかりお馴染みとなった話題のシュレックを使ったVJも


さらにはDr. Dre、Jay-Z、Travis Scott、Teriyaki Boyz – Tokyo Drift のヒップホップやJohn Summit「Where You Are」、Zedd「Beautiful Now」などのEDMアンセムなどのネタももバランスよく配置。帝王の名に相応しい凶悪なベースラインと先の読めない展開で畳み掛け、それに応えるフロアの歓声の大きさに改めてアメリカでのダブステップの支持の厚さを確認するこ事ができた。

Chase & Statusの大ヒット「Baddadan」のダブステップ・リミックス


Travis Scott vs. ISOxo – FE!N vs. dontstopme! (SLICK Edit)



そしてここでも豪華なゲストが。4月に銀座Zouk Tokyoでの来日公演も控えているIlleniumがブースに登場し、二人のヒット曲「Feel Something」を聞かせてくれた。



会場のボルテージは上がり続けるのみ。「EDMプリンス」として紹介されたMartin Garrixは圧巻のプレイを聞かせてくれた。
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特に彼のステージングにファンが期待していたのは、やはり未発表曲(ID)の初披露。この日もMartinは最新のサウンドを惜しげもなくプレイし、我々ファンの期待を高めてくれた。


途中、Maejorとのユニット = Area21の新曲なども披露。


この曲はドラムンベース調となっており、そのままDua Lipaとの「Scared To Be Lonely」をALOK & The Chainsmokers – Jungle (Arcando Remix)とマッシュアップし、ここでもEDMスターによるドラムンベース人気を確認する事ができた。


最後には名曲「Starlight」のヴォーカルも務めたシンガー = Shaun Farrugiaを招き、Dubvisionとの3者コラボとなる新曲「Wherever You Are」を披露してくれた。



2日目のメイン最後を飾るのはDavid Guetta。今回は本人が特別に持ち込んだオーディオビジュアルプロジェクト「The Monolith」を披露。巨大LEDタワーを背景に近年彼が推しているFuture Raveの世界観を視覚的にもパワーアップさせたショートなった。
関連記事:「David Guetta ULTRAマイアミで「Monolith Show」の新作を披露」


往年の自身のヒット曲をアップデートしたセットでフロアの大合唱と熱量を加速させ、最近リリースされたMasonによるエレクトロ・クラシック「Perfect (Exceeder)」を自身のリミックスから1991によるドラムンベース・バージョンに繋げるトリッキーな選曲も。David GuettaはTiestoとともに早くから大型フェスの会場でドラムンベースを取り入れていた一人だ。


後半にかけてはゲストのオンパレード。Oliver Heldensを迎えてのコラボ新曲「Feel My Love」、


Future RaveのプロジェクトのパートナーであるMORTEN、さらにはその新鋭ともいえるHypatonを招き、大物DJだけでなく自分のプロダクションを支える若手もしっかりサポートするベテランとしての風格を見せてくれた。

最後にはOneRepublicのRyan Tedderが登場。AlessoとOneRepublicの名曲「If I Lose Myself」を披露し、


締めにはMCで「Ryan Tedderとの初コラボを聴いてくれ」と紹介し、ここ日本では「恋のマイアヒ」として知られる2000年代のダンスポップ・ヒットO-Zoneの「Dragostea Din Tei」ネタとなる新曲で会場は大団円を迎えた。David Guetta は近年、グラミー賞にノミネートされ大ヒット「I’m Good (Blue)」を筆頭に1990年代、2000年代のダンス・ポップを積極きにサンプリング しヒットを飛ばしている事から、この曲も今年の代表曲となり得るポテンシャルを感じる。

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いよいよ今日が最終日DAY3のタイムテーブルは初日のキャンセル勢も参加し、新しいタイムテーブルがアップデート。
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もちろんDAY3も配信されている。残念ながらヘッドライナーとなるメインのCalvin Harrisの配信は予定されていなが、代わりに2日目にライブステージで行われたMadeonとSan HoloのB2Bがラインアップに加わっている。
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当日の配信LIVE配信URL&配信スケジュールはこちら
UMF TV >> https://www.youtube.com/@UMFTV
【配信スケジュール】 ※日本時間
3月25日(月) AM 04:00〜

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『Ultra Music Festival 2024』
〈日程〉2024年3月22日(金)〜24日(日)
〈場所〉アメリカ,マイアミ,Bayfront Park
〈公式サイト〉https://ultramusicfestival.com/
〈チケット詳細〉SOLD OUT