数日前から日本入りを果たして本人の体調管理もバッチリ。
とはいえ、最後の最後までステージに上がるのをこの目で確かめるまでは油断は禁物だった(笑)アヴィーチー初のジャパンツアー。
6月4日(土)の大阪公演、5日(日)の千葉公演と2日間にわたって無事敢行。念願だったウン年越しの男の約束を果たしてくれた。
同郷スウェーデン出身で、アヴィーチーとは元同級生というオットー・ノウズも来日公演には参加。さすがアヴィーチーが選んだオープニングアクトだけあり、実力は明らか。
アッパーチューンでたっぷり楽しませてくれたのみならず、落とすところはしっかり落としたり、オアシスの“Wonderwall” vs メジャー・レイザーの“Lean On”のマッシュアップで巨大なスタジアムを瞬時に一体感で包んだり。
ラストには、前週に発表されたばかりのアヴィーチーとのコラボ曲“Back Where I Belong”をいちはやく披露。
ツアー活動から引退すると宣言したアヴィーチーの心境を綴ったナンバーだけに、同朋への最後のはなむけとしてもピッタリ。パーフェクトな形でアヴィーチーのセットへと橋渡しをしてくれた。
そのうちどこからともかく突然歓声が湧き上がると、みるみるうちに会場全体が絶叫の嵐に。
と前方に目をやると、アヴィーチーその人が、ステージ右手からフラっと登場。
そのままステージ中央の高い位置に設置されたブースに上がると、いよいよスタート。
今年のUMFでもオープニングになった新曲“Without You”で始まった。
この曲は、これまでのサポートをファンに感謝するかのような内容。
本当に来てくれた!という気持ちと、本当にラストツアー!という事実を前に、なんだかジーンと感無量。
ロビンの“Hang With Me”やコールドプレイの”Every Teardrop Is A Waterfall“など、彼の関わったおなじみナンバーが、ひときわ盛り上がりを見せた前半は、これまでのキャリアを総括するかのような選曲。
曲ごとにムードを変えながら、いろんな表情で魅了。
大仰ではなく、じっくり煮詰めていく感じ。ドライブ感よりもキラキラ度が優勢。
彼自身のヒット曲がバンバン投下されはじめたのは、1時間をちょっとすぎた頃から。
ファーストアルバム『True』から“Hey Brother”や“You Make Me”、セカンドアルバム『Stories』から“The Days”や“The Nights”“Waiting For Love”などが続けられ、これでもかのアゲ大会。
オーディエンスは、ほぼ両手が挙がりっぱなしで大合唱。至福の状態にうっとり。
前半とはまた異なる、たたみかけるプレイで圧倒してくれた。
そして最後のシメは名曲“Wake Me Up”や“Levels”。この瞬間のために来たという人も多かったはず。
ここぞとばかりの大合唱が夜空に轟きわたった。このあたりの一体感は、クラブミュージックというより、ほとんどロックコンサートに来ている感じ。
それにしてもほとんど派手な演出は無し。ステージ後方に巨大な映像が映し出されるほかは、ときたまスモークや紙吹雪が舞うくらい(大阪公演では花火もあったそうだが、東京公演は諸事情で無かった)。
ビジュアル面の進化やエンタメ化が進むEDM界にあって、シンプルな演出だけでスタジアムを酔わせてしまう彼はやはり異端児。
サウンドだけでたっぷり2時間、堪能させてくれた。
それに何よりビジュアル面で一番印象的だったのは、アヴィーチーのしぐさ。
手のひらを掲げて♪イエィとキメるポーズが、なんともカッチョ良く映ったのは、みんな同様だったようす。あちこちで真似するファンが続出(笑)。
ライブ終了後には、本人が「マジで人生最高のショーのひとつだった」と感激コメントをインスタなどにアップ。
さらに翌日には京都旅行の写真とともに「ホントにこの国に恋しちゃったよ」なんて嬉しい発言も。
この調子だと、しばらくライブ活動を休んでから、また戻ってきてくれるよね!? だと嬉しいですね。
Text by Hisashi Murakami