ホメロスの叙事詩『オデュッセイア』に着想を得たアルバム『ODYSSEY』は、自分自身の中にある“光と闇”の両面を受け入れることをテーマとした全19曲で構成されている。Kid Cudi、Ellie Goulding、Bastille、Ryan Tedder、Tom Grennan、HAYLA、Bring Me The Horizonらが参加。ILLENIUMらしいエモーショナルなエネルギーと、スケール感のあるシネマティックなサウンドが全編にわたって描かれている。
アルバムは、不穏な女性ボーカルによるスポークン調のイントロ「Odyssey」で幕を開け、続く「Into the Dark」で世界観が鮮明に立ち上がる。オーケストラルな広がりを感じさせるメロディック・ベースを核に、アルバムの世界観を力強く提示するシネマティックな一曲だ。
リードシングル「In My Arms」では、近年Kx5やJohn Summitとのコラボレーションで注目を集めるHAYLAが力強いボーカルを披露。「With Your Love」はスケール感のあるプログレッシブ・ハウスに仕上がっており、OneRepublicのフロントマンRyan Tedderによる歌唱が、ILLENIUMのシネマティックなプロダクションと強く共鳴する。Ellie Duhéとの「Feels Like You」も、エモーショナルなハウス〜トランスへのアプローチを感じさせる一曲だ。さらに、Ellie Gouldingが参加する「Don’t Want Your Love」は、アンセミックなトランシーな要素を内包したテックハウス・チューンとして存在感を放つ。
一方で、本作にはよりダークで攻撃的な側面も存在する。Bring Me The Horizonを迎えた「Slave to the Rhythm」や、LØ Spiritが参加する「War」では、アシッド感のあるサウンドや荒々しいベースラインが導入され、ロック由来の荒々しいボーカルと融合した、アルバム屈指の強烈な瞬間を生み出している。
終盤では「Not Ordinary (feat. Kid Cudi)」でドラムンベースへと舵を切り、「Refuge」「To The Moon (feat. Alok)」と四つ打ちのグルーヴを重ねながら、ラストの「Ur Alive」で希望に満ちたメッセージを提示する構成となっている。