NEW RELEASE

Fred again.. × Young Thug、新曲「Scared」を発表。終わらないアルバム『USB002』が次章へ

Fred again.., Young Thug - scared

Fred again..がYoung Thugと連名で新曲「Scared」をリリースした。



今作は、Fred again..が継続的に進めている「終わらないアルバム」シリーズ『USB』の流れを汲む一曲だ。昨年10月からは「10週間で10都市・10曲を更新する」プロジェクトとして展開し、年末にはその集大成として『USB002』がリリースされたが、「Scared」はその延長線上に位置づけられ、同プロジェクト(アルバム)にも追加されている。


『USB002』の連作では、10都市ツアーの現場でも機能するフロア向けの楽曲が多く生まれていた。一方で今回は、Blancoとの「Solo」を思い起こさせるような、初期のFredを連想させるエモーショナルなUKアンダーグラウンド志向の仕上がりとなっている。


ビッグルームを包み込むようなスケール感を保ちながら、ゆっくりと込み上げてくる情緒的なシンセ・メロディと、オフビート気味に刻まれるUKガラージ的な跳ねるビートを反復。その上でYoung Thugの2018年の未発表曲「Lucky」をサンプリングし、「Don’t you ever show you scared, baby」というフックが、曲全体にエモーショナルな抑揚を与えていく。中盤にはノイズにまみれたブレイクも挟まれ、そこから一気に感情が解放されるようなエンディングへとなだれ込む構成は、まさにFredの十八番と言えるだろう。


そもそも今作は2025年11月の配信で先行披露されており、ファンの間では待望のリリースとなった。あわせてミュージックビデオも公開されており、今作は“Brandon”という人物の夜遊びを追う3部作の第2弾にあたる。第1弾は、10月末にリリースされたKETTAMA & Shady Nastyとの「HARDSTYLE 2」だ。



「HARDSTYLE 2」では“Brandon”を中心に追いながら、フロアの喧騒の数秒間を超スローモーションで切り取り、そこに潜むエネルギーを濃縮して見せた。一方の「Scared」では、彼を軸にしつつ、女性とのキスの瞬間を捉えるカットが印象的で、楽曲のエモーショナルさと重なり合い、より情緒的な作品へと仕上がっている。


Young Thugはアトランタ出身で、2010年代トラップ以降のヒップホップを語るうえで欠かせない存在だ。歌心のあるフレーズ運びと独特の声色、既存のラップの型から逸脱する表現でシーンを更新してきた。ヒップホップ界にとどまらず、Jamie xxやCalvin Harris、Diploの楽曲に参加し、Camila Cabello「Havana」でのフィーチャリングなど、ダンス・シーンやポップス・シーンでも大きな存在感を放っている。さらに2018年にはChildish Gambino「This Is America」にソングライターとして参加し、同曲はグラミー賞でソング・オブ・ザ・イヤーを受賞した。だが近年は法的問題で逮捕・起訴され、2024年10月末に保護観察の条件付きで釈放。その後は復帰作もリリースし、活動を再開している。




Fred again..は今年に入っても『USB002』の追加公演として、1月までニューヨークで6公演を開催。Romy、HAAi、Hamdi、Oppidan、BRUX、Caribouなど多彩なゲストDJが華を添えた。さらにRomyはDJだけでなくFredのステージでマイクパフォーマンスも披露し、別日の公演ではDenzel Curryや070 Shakeをサプライズゲストとして招くなど、すでに大きな話題を提供している。


また今回の公演では、終演後に約30分、会場で余韻に浸れる時間が設けられ、パーティーの熱を抱えたまま残る観客の様子が映像として記録・公開された。ライブ体験そのものを“記憶に残る出来事”へと拡張していく演出も、彼らしいアプローチと言えるだろう。


2月にはロンドンで4公演を控えており、Fred again..の歩みは止まらない。今年もまた数々のサプライズを楽しみにしたい。