Photo by San Holo’s Facebook
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San Holo、ギター主体の新プロジェクト「san111」を始動

“人間味”と向き合い、サウンドの核へ立ち返る最新フェーズ

オランダ出身のDJ/プロデューサー・San Holoが、新たなサイドプロジェクト「san111」を始動し、その第1弾となる楽曲「one one one」を公開した。彼の音楽性を象徴する“エモーショナルなサウンドとギター”をさらに前面へ押し出し、ギターという原点へ回帰しながら、極めてパーソナルな領域をサウンドとして提示する新フェーズに踏み出したプロジェクトだ。


San Holoは1990年生まれ。2014年にデビューEP『Cosmos』をリリースし、2016年には自身のレーベルbitbirdから放ったメガヒット曲「Light」でその地位を決定づけた。感情に寄り添うメロディと多幸感に満ちた煌びやかなサウンドは、エレクトロニック・ミュージックに“エモーション”という明確な軸を持ち込み、単なる“踊るための音楽”を超えた表現を切り拓いてきた。さらにbitbirdを通じてクリエイティブな才能を世に送り出しながら、自身の表現領域も更新し続けている点も、彼の重要な魅力だ。


2025年もSan Holoの勢いは止まらない。攻撃的なRIDDIMサウンドに彼らしい温度感と優しさを溶け込ませた新機軸「WHOLESOME RIDDIM」を打ち出し、T-Painとの異色コラボレーションや大規模な北米ツアーを成功させるなど、既存ジャンルの再定義を続け、常にファンを驚かせる存在であり続けた。


そして彼の音楽を語る上で欠かせないのが、ギターとの強い結びつきだ。キャリア初期からギターを創作の中心に据え、ライブではDJセットとギターを融合させたハイブリッドなパフォーマンスを展開。日本公演でもギターの生演奏を披露し、クラブミュージックでありながら“ライブ・ミュージック”としての強度を宿したステージでファンを魅了してきた。


今回発表された新プロジェクト「san111」は、クリスマス直前にSNS上で公開されたギター演奏動画とともに突如アナウンスされたもの。San Holo自身が「音楽のダイアリー」と語るこのプロジェクトは、20年前に初めてギターを手にした頃のインスピレーションへと立ち返り、人生の中で浮かび上がる感情や記憶を、よりパーソナルに、より人間的に音へ落とし込む試みとなる。
第1弾シングル「one one one」は、そのコンセプトを明確に体現し、彼のルーツと現在地を繋ぐ象徴的な楽曲だ。柔らかく温かなトーンで鳴るギターの旋律が静かに空間を満たし、その上にSan Holoらしいエレクトロニックの質感が丁寧に重なっていく。ギターの温度感とサウンドの洗練が溶け合い、懐かしさとあたたかさ、そして淡い切なさを同時に宿した1曲となっている。


San Holoはこのプロジェクトについて、次のようにコメントしている。
「これは僕からのホリデーギフト。新しいサイドプロジェクト『san111』は、僕の“ギタリストとしての側面”を軸にしたプロジェクトなんだ。僕の音楽の旅は20年以上前、初めてギターを手にした瞬間から始まった。そのときから音楽は人生の中で大きな役割を果たすと確信していた。音楽制作は今も変わらずモチベーションとインスピレーションの源で、これまで数え切れないほどギターの楽曲やメロディを録音してきたのは、本当の自分に近くあり続けるため。san111は“音楽の日記”。頭の中を漂うメロディやサウンドを人生から受け取ったインスピレーションとして共有する場所であり、言葉だけでは伝えきれない感情を表現する手段なんだ。テクノロジーが進化し続ける今だからこそ、音楽の持つ“人間的な要素”とつながっていたい。ギターこそが、僕が最も純粋で正直に自分を表現できる場所。そして、その想いを込めた楽曲が『one one one』。僕たちはみんなつながっている、1つなんだというメッセージを込めている。これからも音楽を届け続けるから楽しみにしていてほしい。」