Photo by Chris Lake’s Instagram
NEW RELEASE

Chris Lake キャリアの頂点へ 、ハウス界の異才が放つデビュー・アルバム

Chris Lake - 『Chemistry』

ハウスミュージック界の異才、Chris Lake(クリス・レイク)がついにキャリアの集大成となるデビュー・アルバム『Chemistry』を、自身のレーベル Black Book Recordsからリリースした。


Chris Lakeは、2000年代初頭から第一線を走り続けてきたハウス界のキーパーソン。これまで「Changes」「Operator (Ring Ring)」「Turn Off The Lights」など数々のフロア・ヒットを生み出し、UKハウスからテックハウスの変遷を俯瞰しつつ、常にその先を提示してきたキュレーター的存在だ。


その集大成とも言える本作『Chemistry』には、Bonobo、Kelly Lee Owens、MPH、Alexis Roberts、Nathan Nicholsonといった錚々たるアーティストが参加。全15曲中13曲がスタジオでのコラボレーションを経て制作されており、真の“化学反応(Chemistry)”を形にした作品となっている。以下、注目曲を解説する。

アルバムは、Yael Watchmanをフィーチャーした「On & On」で幕を開ける。内省的でエモーショナルな導入から、やがてChris Lakeらしいシャープなハウスビートが立ち上がり、リスナーを一気にアルバムの世界観へと引き込む。



続く「Memories」は、「Summertime Blues」(2024年)でも共演したNathan Nicholsonとのコラボレーション。ダイナミックなベースラインに巧みに配置されたシンセサウンド、そしてNathan Nicholsonによる幽玄なヴォーカルが、Chris Lakeらしいソウルフルな陰影を滲ませる。



・Chris Lake, Sammy Virji, Nathan Nicholson – Summertime Blues


「Reach For You」は、UKガラージ界の新鋭MPHとの共作。跳ねるようなリズムとグルーヴィなビートに、カラフルなシンセワークと重厚なベースラインが絶妙なコントラストを描き出す。MPHの新世代感とChris Lakeの洗練されたプロダクションが交差し、クラブでもリスニングでも映えるナンバーに仕上がっている。



フロア直撃のピークタイム・アンセム「Psycho」では、硬質なキックとアグレッシブなベースが炸裂。Chris Lakeのアグレッシブな側面が前面に出るキラートラックだ。



そしてアルバムのラストトラックを飾るのが、グラミー常連のBonoboとの初タッグ曲「Falling」。John SummitやMEDUZAとの共演でも注目を集める実力派シンガーHAYLAによる繊細なリリックを軸に、Bonoboのオーガニックな音像と、Chris Lakeのクラブ・グルーヴが見事に融合。昼下がりの陽光のような温かさと、ダークな深みを併せ持つ、傑出したクロージング・ナンバーとなっている。なお今作では、Alexis Robertsと「Turn Off The Lights」以来の再タッグを果たしている。



・Chris Lake – Turn Off The Lights ft. Alexis Roberts


リリースに際し、Chris Lakeは次のようにコメントしている。
「この作品を完成させるために、数えきれないほどの年月を費やした。本当に誇りに思えるアルバムができた。アルバム制作は予想以上に大変だったけど、もう次のことを考え始めているよ。」


10月より、アルバムリリースを記念した全米13都市を巡る「Chemistry Album Tour」が決定。Chris Lakeの進化の手は止まらない。