ハウスミュージック界の異才、Chris Lake(クリス・レイク)がついにキャリアの集大成となるデビュー・アルバム『Chemistry』を、自身のレーベル Black Book Recordsからリリースした。
Chris Lakeは、2000年代初頭から第一線を走り続けてきたハウス界のキーパーソン。これまで「Changes」「Operator (Ring Ring)」「Turn Off The Lights」など数々のフロア・ヒットを生み出し、UKハウスからテックハウスの変遷を俯瞰しつつ、常にその先を提示してきたキュレーター的存在だ。
その集大成とも言える本作『Chemistry』には、Bonobo、Kelly Lee Owens、MPH、Alexis Roberts、Nathan Nicholsonといった錚々たるアーティストが参加。全15曲中13曲がスタジオでのコラボレーションを経て制作されており、真の“化学反応(Chemistry)”を形にした作品となっている。以下、注目曲を解説する。
・Chris Lake, Sammy Virji, Nathan Nicholson – Summertime Blues
「Reach For You」は、UKガラージ界の新鋭MPHとの共作。跳ねるようなリズムとグルーヴィなビートに、カラフルなシンセワークと重厚なベースラインが絶妙なコントラストを描き出す。MPHの新世代感とChris Lakeの洗練されたプロダクションが交差し、クラブでもリスニングでも映えるナンバーに仕上がっている。
そしてアルバムのラストトラックを飾るのが、グラミー常連のBonoboとの初タッグ曲「Falling」。John SummitやMEDUZAとの共演でも注目を集める実力派シンガーHAYLAによる繊細なリリックを軸に、Bonoboのオーガニックな音像と、Chris Lakeのクラブ・グルーヴが見事に融合。昼下がりの陽光のような温かさと、ダークな深みを併せ持つ、傑出したクロージング・ナンバーとなっている。なお今作では、Alexis Robertsと「Turn Off The Lights」以来の再タッグを果たしている。
・Chris Lake – Turn Off The Lights ft. Alexis Roberts