前編ではポップシンガーとのコラボやラテンブームを紹介した『最新洋楽ダンスポップ事情』。
後編では、いま欧米でブーム再来中のヒップホップをはじめ、ロック界やレトロ回帰現象などを取り上げます。
世界のダンスポップシーンの最前線を感じてもらえるのでは?
時代はマルチアーティスト!!
MARSHMELLO(マシュメロ)
洋楽シーンに詳しい人なら、ここ数年、欧米でヒップホップが再ブームを呼んでいるのではご承知の通り。
それを見据えてなのか、ポップからヒップホップまで幅広く手がけてしまうマルチなEDMアーティストが続々登場。なかでもフットワークの軽いマシュメロは一番の成功例と言えるかも?
セレーナ・ゴメスやアン・マリーとのポップ路線から、カリードとのR&B系、ロジックとのヒップホップ系まで次々と話題作を放出中。
SKRILLEX(スクリレックス)
ジャンルを超えて活躍するEDM DJといえば、後にも先にもスクリレックス。
元ロックバンドのメンバーという経歴もユニークなら、多岐にわたる楽曲スタイルも常に予測不可能、サプライズの連続。
”Would You Ever”でハウスをやったかと思えば、ヒップホップやラテンに寄ったり、相変わらずのマルチぶりです。
STEVE AOKI(スティーヴ・アオキ)
EDM シーンからヒップホップ界にいちはやく乗り込んだ人といえば、スティーヴ・アオキ。
ヒップホップに特化したアルバム『Kolony』では、新世代の人気ラッパー、リル・ウージー・ヴァートやミーゴスともコラボ。
もちろん流行に敏感な彼のこと、ラテンサウンドにも挑戦済み!
ロック界ともタッグ!!
LINKIN PARK(リンキン・パーク)
オルタナ・ニューメタルの大御所バンド、リンキン・パークも女性シンガー、キアーラを迎えた”Heavy”でエレクトロニックポップにチャレンジ。
リードシンガーのチェスター・ベニンントンの急死後には、以前から交流のあったスティーヴ・アオキが”Darker Than The Light That Never Bleeds (Chester Forever Steve Aoki Remix)”を発表。チェスターに捧げています。
COLDPLAY(コールドプレイ)
ロックバンドも、もはやEDMを避けては通れない?
以前からクラブシーンと接点をもってきたロックバンド、コールドプレイもEDMシーンのDJ/プロデューサーとタッグを組んで大成功。
今は亡きアヴィーチーやザ・チェインスモーカーズとの相性もバッチリ。
過去へと逆戻り!?
BRUNO MARS(ブルーノ・マーズ)
グラミー賞に輝いたブルーノ・マーズの最新アルバム『24K Magic』には、懐かしいサウンドがギッシリ。
次々とシングルがチャートを席巻、レトロサウンドが巷にあふれることに。
さらに”Versace On The Floor”のリミックスでは、デヴィッド・ゲッタがいっそうノスタルジックな香りを引き出したり、人気ラッパーのカーディ・B参加の”Finesse”のリミックスでは、80年代まんまのパロディビデオでタイムワープ!
DUA LIPA(デュア・リパ)
マーティン・ギャリックスと組んだ”Scared To Be Lonely”に続き、”New Rules”で大ブレイクを果たしたデュア・リパ。
同曲のリミックスも、80年代に一世風靡したユーロビートのリバイバルだと大きな話題に。リミックスを手がけたイニシャル・トークが、実は日本人というのも嬉しいですよね。
カルヴィン・ハリスとの最新コラボ”One Kiss”では、レトロハウスに挑戦。こちらも懐かしい香りがいっぱいです。
LIKE MIKE(ライク・マイク)
EDM界の重鎮ディミトリ・ベガス&ライク・マイクの弟=ライク・マイクもソロではノスタルジックなレトロサウンドへ回帰。
”Memories”というタイトル通り、テーマは回想。80年代のゲーセン&『マイアミ・バイス』なアニメが郷愁をくすぐります。
THE WEEKND(ザ・ウィークエンド)
80’sシンセといえば、ザ・ウィークエンドもそう。
この映画『ブラックパンサー』の挿入歌では、共演者のケンドリック・ラマーをも巻き込んでアナログシンセモード全開。リリックビデオも、上記のライク・マイクの映像とそっくり。
映画『ブラックパンサー』を観た人は、きっとこの曲を聴きながらニヤニヤ思い出し笑いをするんでしょうね!
以上、前編と後編の2回に分けてお届けした『最新洋楽ダンスポップ事情』、いかがでしたか?
メジャーシーンを中心に最前線を紹介してきましたが、細分化されたジャンルが多数誕生している今日この頃。
次に何が飛び出してくるのか、ますます楽しみですね!
Text by EDM MAXX編集部(Q)