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世界のEDMシーンの現状とは? EDM界の新星デュオ、シック・インディビデュアルズに語ってもらった!

あのハードウェルも大注目というオランダの2人組シック・インディビデュアルズ(Sick Individuals)。ここ日本ではレクサスとコラボしたCMソング“Unstoppable (LEXUS Racing Edit)”でご存知の方も多いはず。この数年で、世界各地のビッグフェスに出演したきたレイとジムの2人に、彼らならではの初々しい目で見た、世界のフェスの特徴や違いを語ってもらいました。

——まずヨーロッパ・ベルギーで開催される世界最大のフェス『Tomorrowland』と、アメリカ・マイアミで開催される『ULTRA MUSIC FESTIVAL MIAMI』(以下UMF)の大きな違いは?

ジム(以下J)「ヨーロッパとアメリカのフェス層には大きな違いがあるよ。

アメリカでのEDM人気はまさにここ3〜4年のことだし、それもあってファンもまだ若い。『UMF』のファンはレイバー層なんだ」

レイ(以下R)「『UMF』の客層は、3〜4年前からハウス・ミュージックを聴きはじめた、まだまだハウスを好きになってる段階の層だと思う。



僕らもちょうど3〜4年前から表舞台に立ち始めているし、そのファン層が会場にも来てくれてる感じがするんだ。

それにマーティン・ギャリックスのような若いDJの台頭もあって、そういったファン層も多いんじゃないのかな」

J「その反面オランダなどでは、このジャンルの音楽がもう20年以上もメインストリームで受け入れられている。だから客層も大人なんだ。

16歳からダンスミュージックを聴き始めた人たちが、20年後の今では36歳。そんな人たちも『Tomorrowland』などには行き続けているって感じなんだ」



――ヨーロッパの30代、40代の人たちもクラブにも行くのかな?それともフェス?

J「みんなフェスだね」

R「例えばオランダでは『Dance Valley』というフェスがあって、これはもうずっと昔からやっている。そこは大半が大人だよ。

でも、このフェスはいまだにオランダ最大級のフェスだし、ビッグネームのDJもたくさん出演する」

J「あのフェスのいいところは、レジェンドと呼べるDJたちと、若いDJが一緒に出演しているところ。『Dance Valley』には、ぜひとも一度行ってみるべきだよ」



――そういった大人の客層にプレイするのって大変?

J「そうだね、若い人たちは僕らのことを知ってくれている。でも、大人は僕らのことを知らない人の方が多いからね。毎回試されてる気がするよ。

それに大人の人たちはもちろん最新の音楽にも興味はあるけど、やはり少し前の音のほうが好きだったり。そうなると僕らとしてはちょっと大変だよね。

でも、それもまた楽しいチャレンジではあるよ!」

——年齢層以外には、『Tomorrowland』と『UMF』の違いって何だと思う?

J「ヴァイブと環境がまったく違うよね。アメリカのファンはよりアーバンな要素(ヒップホップやR&B)が好きなんだ。

だから、例えばトラップの要素を入れたり、いつもと違う感じのボーカルを混ぜたりするよ」

R「ジャスティン・ビーバーがステージに立つようなことは『Tomorrowland』では、この先すぐにはないだろうね。

エンターテインメントの質そのものが米国とヨーロッパとではだいぶ違うと思うんだ」

J「それに『Tomorrowland』は、まったく新しい世界をそこに作り上げている点が違うよね」

――ジャスティン・ビーバーのようなアーティストが『Tomorrowland』のステージに立たないのは、オーデェンスが望まないから?

J「『Tomorrowland』の客層は大半が嫌がるだろうね。

ビッグなポップアーティストをステージに上げるのはすごくアメリカらしい発想だと思う」

R「そういえば、以前のアメリカの『UMF』で、マドンナがアヴィーチーのステージに登場したことがあったよね」



J「アメリカではポップスをダンスミュージックと混ぜようとしている。ヨーロッパではその2つは、まったく違うカルチャーなんだ。

ダンスミュージックを聴く人は、まったくポップスを聴かなかったりするし」

――今後のダンス・ミュージックシーンはどう進化すると思う?

J「地域によって違うと思うんだ。アジアではより大きくなっていくと思うし、ヨーロッパではこの1年半ほど少し低迷していたけれど、また元気になり始めている。

フェスもより大きくなってきた。アメリカは少し落ち着いてきた感じかな」

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さて、彼ら自身についても話を訊いてみました。

――2人はどんなふうにチームになったの?

R「同じ音楽学校に行ってたんだけど、入学初日にお互いの音楽を聴いて、すぐ意気投合したよ。

初対面だったけど、会った瞬間に分かったんだ。彼とは長く付き合える友人になるなって」

J「音楽学校ではみんなそれぞれ興味の対象が違ったけど、僕らだけが一緒だった」

——影響を受けたアーティストについて教えてくれる?

J「僕たちが最も影響を受けたのはアクスウェルだね。

スウェディッシュ・ハウス・マフィアの一員と仕事をするのが夢だったし、その中でもアクスウェルが一番好きだった。だから一緒に仕事ができたのは、すごく光栄だった」



R「ライブセットに関してはフェデ・ル・グランドから一番影響を受けたかな。

あとはビンゴ・プレイヤーズからは音楽をシンプルにしてもいいってことを学んだよ。

彼らが曲で使う音はシンプルだけどすごく効果的なんだ」



——LEXUSとコラボ曲を作っているけど、制作はどんな感じだったの?

J「“Unstoppable Lexus Racing Edit”は車のCM用の曲なんだけど、そういった曲を作るのは初めてだった。

すごくスピードの速いレーシングカーだから、そのイメージで作ったよ」

R「曲自体も車が加速するときと同じように、遅めのスピードから速いスピードへと徐々に加速していく感じにしたかったんだ」

J「車をじっくり観察して、クールな曲にしようと思った。出来にはすごく満足しているよ」

――この1年間で一番良かったギグは?

J「そうだな……『Tomorrowland』でのギグは、まさに異次元のレベルだったね。

なにしろステージに立った時間帯も良かったし」

R「うん、世界中から多くのファンが駆けつけてくれた。本当にスペシャルな瞬間だったよ」



J「あと去年6月にやったageHaのギグも2015年最高のショーだった」

R「本当に楽しかったよね。みんなクレイジーだった。あんなに大勢のファンが来てくれるとは思ってもいなかったよ」

J「みんなの愛を本当に感じることができたよ。ありがとう!」



シック・インディビデュアルズの最新曲はDBSTFとのコラボによる“Into The Light”。
ストーリー性のあるビデオもスリル満点!こちらもぜひお見逃しなく。




Text by EDM MAXX編集部(Q)