9月19日〜21日にかけて、お台場ULTRA JAPAN特設会場にて開催された「ULTRA JAPAN 2015」。
今年も約80組ものアーティストが出演し、3日間のべ9万人ものオーディエンスが詰めかけました。今回はその模様を1日ごとにレポートしていきたいと思います!
まずは初日。
今年の「ULTRA JAPAN 2015」はMAIN STAGEとULTRA WORLDWIDE(2日、3日目はRESISTANCE)、そしてUMF RADIOと3つのステージが設けられ、それぞれで様々なサウンドがプレイ。
UMF RADIOでは、国内外から実力派&気鋭アーティストたちがディープハウスを中心によりクラブライクな空間を作り上げ、お客さんが終止気持ち良さそうに踊り明かしていたのが印象的でした。
一方、ULTRA WORLDWIDEはシグマやペンデュラム、チェイス&ステイタスにサブ・フォーカスなど、ドラムンベースでガンガン踊りまくる。
そして、MAIN STAGEではEDMを中心としつつも、それだけに終始しないところは新しさを感じました。
なかでも、日本が誇るハウサー:DJ EMMAのいつも通りのEMMAハウス、ロビン・シュルツの新世代感バリバリのクールなサウンドは、昨年のMAIN STAGEにはなかった新鮮さを感じました。
とはいえ、そんな2人に続いて登場したフェデ・ル・グランド〜アフロジャック〜アーミン・ヴァン・ブーレンは、まさに世界のULTRA的なエンターテインメント性溢れるプレイで大観衆を魅了。
特に2年連続の出演となるアフロジャックの昨年同様の激アガりセットの威力たるや……。
自身の楽曲を中心にヒット曲満載で、時間的にもステージが夜仕様となり、よりド派手な演出がなされたことも相まってこの日一番の盛り上がりに。
そんなエンタメ性たっぷりのアフロジャックの後には、アーミン・ヴァン・ブーレンがその流れを踏襲しながらも、叙情的なアプローチでよりドラマティックな世界を演出。
壮大なサウンドのもと会場が一体となり、ブレイクと一緒に開放される、その姿は実に感動的でした(中には涙している人もいた!)。
そして2日目。
この日、注目を集めたのは本家マイアミで今年からスタートしたRESISTANCE。
よりハウス〜テクノに特化したストイックなサウンドを打ち出すステージが、日本でも初お目見え。
Satoshi Tomiieやニック・ファンシウリ、そしてジョン・ディグウィードといったラインナップから、その本気さはひしひしと感じていましたが、実際に会場に足を運んでみると、じっくりと音楽を聴かせつつもストーリー性のあるプレイでオーディエンスをぐいぐいと引き込んでいました。
2日目、3日目、両日ともに言えたことですが、このRESISTANCEではMAIN STAGEとはまた別のアプローチ、本来ダンスミュージックが備えていた音楽による旅、サウンドジャーニーを体現し、「ULTRA JAPAN 2015」に新たな魅力を加えていました。
今年はスタートして1年目ですが、これが来年、再来年はどうなっていくのか、それはそれで楽しみです。
そんなRESISTANCE以上に盛り上がっていたのは、やはりMAIN STAGE。
新鋭ヴァイストーンやEDMからヒップホップ〜トラップ、さらにはクラシックまで取り入れた何でもありのプレイでオーディエンスを魅了したカーネイジも素晴らしかったが、圧巻だったのはやはりラスト3人のヘッドライナーたち。
待望の初来日となったニッキー・ロメロは、 “Toulouse”や“I Could Be The One”、“Lighthouse”といった大ヒットアンセムを惜しげもなくプレイする期待通りのプレイを披露。
この日の会場には、“Toulouse”のミュージックビデオでもおなじみのアノニマスマスクを身につけたお客さんが多かったことからも彼の人気の高さが伺えましたね。
その後には、昨年からヒット曲を量産中のDJ スネイクがステージへ。
直球EDMというわけではなく、彼のサウンドさながらトラップ〜トワークを交えたスキルフルなそのプレイは、今回の「ULTRA JAPAN 2015」の中でも完全に異質でしたが、その楽曲のポテンシャル、“Lean On”の破壊力は本当に凄まじかったです(“Lean On”は3日間通してもっともプレイされた曲だったかも、あとはカルヴィン・ハリス&ディサイプルズの“How Deep Is Your Love”も)。
そして2日目の最後はスクリレックス。
絶えずオーディエンスを盛り上げるパフォーマンス(観客と一緒にジャンプしたり、観客のスマホを使って光のオブジェを生み出したり)はプロフェッショナルで、もちろん会場は終止大盛り上がり。
世界を魅了するのも当然だなと納得しつつ、ラストの“Where Are Ü Now”では誰もがもっと見ていたいと思ったはず。
最終日3日目。
今回、3日間を通して感じたのは、「ULTRA JAPAN 2015」の成熟度。
2回目の開催にして、昨年よりも各ステージの仕上がりもかなりパワーアップし、音楽性も格段に広がっていて、そのバリエーションは素直に驚きでした。
きっとお客さんたちもたくさんの出会い、発見、喜びがあったんじゃないかと思います。
初お目見えとなったRESISTANCEはもちろんのこと、MAIN STAGEでもただ単純に流行のEDMを並べるのではなく様々なサウンドが体験できる、その姿は本家マイアミの考えをしっかりと取り入れ、フェスのブランド力をさらに高めようとしている、そんな感じがしました。
あとは、お客さんもただお祭りに参加するのではなく、みんな思い思いのファッション、それもアーティストにまつわる衣装(ニッキー・ロメロのアノニマスマスクやDJスネイクのミュージックビデオを参考したものなど)で訪れたりと、しっかりと予習をして思う存分楽しむ素晴らしい姿勢を見ることができました。
そんな今回の「ULTRA JAPAN 2015」の最終日、この日のMAIN STAGEは初日、2日目とはまた違った魅力に溢れていました。
まさかのジャミロクワイからスタートし、途中アース・ウインド & ファイアーの“September”まで飛び出したアンソロ。
トワーク〜トラップ、ドラムンにエレクトロ、ロックなどまで縦横無尽のゼッズ・デッド。
そして、ダッシュ・ベルリンのトランシーかつエネルギッシュなプレイには、誰もが喜びを隠すことなく踊り狂い、その一方でRESISTANCEではジェームス・ザビエラ〜ゴーゴン・シティ〜サシャがディープな世界観を作り上げていました。
様々なサウンド、世界観に酔いしれていると、MAIN STAGEには昨年の「ULTRA JAPAN」で日本人の心を鷲掴みにしたアレッソが登場。
序盤は思いのほかインストで攻めつつも“Sweet Escape ft. Sirena”を皮切りに彼の真骨頂である美メロ・泣メロが続々投下。
新曲“Cool ft. Roy English”や“If I Lose Myself (Remix) ft. Alesso”の大合唱も相当でしたが、圧巻だったのがラストの“Heroes”。待ちに待ったビッグアンセムにお台場が揺れた、と思うほどの盛り上がり。
そんなアレッソのドラマティックなプレイの後、「ULTRA JAPAN 2015」を締めくくったのはデヴィッド・ゲッタ。
スタートから“Play Hard”でまさかのスクラッチを披露しつつ、この日だけでも何度聴いたことやらの“How Deep Is Your Love”を挟んで、序盤でビッグアンセム“Titanium”を投入。
その後も“Shot Me Down”や“Bad”といった自身の名曲を含めつつ、バラエティに富んだプレイでオーディエンスを圧倒。
近年のフロアアンセムが次々と繰り出されるなか、会場には幾度となくピークが訪れていたが、ラストはまさかの“Sexy Chick”。
背後には花火があがり、感動のフィナーレへ。
今年の「ULTRA JAPAN」は新たな試みもふんだんに取り入れつつも大成功を収めたわけですが、こうなると期待するのは早くも次回のこと。
次はどんな形でファンを楽しませてくれるのか、今から胸が踊ります。
Text by EDM MAXX編集部(James)
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