Avicii, Avicii Arena Official Photo
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その名も「Avicii Arena」、故Aviciiへの追悼と若者のメンタルヘルス啓発を目的として名付けられたアリーナとは

スウェーデン・ストックホルム、可動式音響天井や先進音響システムで北欧屈指の音響クオリティを実現

Aviciiの故郷、スウェーデン・ストックホルムにある「Avicii Arena」が、総額9200万ドル(約134億円)を投じて大規模改修を行った。



この会場はかつて「Ericsson Globe」として知られ、2021年に社会貢献活動を行うTim Bergling Foundationとの協力で改名された。名称変更は、スウェーデン出身の世界的アーティストAviciiへの追悼と、若者のメンタルヘルス啓発を目的として行われたもの。

今回のリニューアルでは、ヨーロッパ最大の球形会場が最先端のリスニング空間へと進化。改修はデンマークの音響デザイン事務所Stouenborgが手掛け、先進音響システム「Constellation」と「Spacemap Go」を導入。音をリアルタイムで精密に制御・移動できるこの技術により、プロジェクトマネージャーのAnders Jørgensenは「北欧で最悪だった音響が、今ではおそらく最高になった」と語っている。

■Stouenborgが手掛けたAvicii Arena改修の舞台裏



さらに、鋼鉄製の可動式音響天井を新設し、残響の微調整に加えて、照明やスピーカーなどの機材を天井から安全に吊るすための設備を強化。これにより音の明瞭度が向上すると同時に、照明・ステージング・特殊効果など演出面の可能性も広がった。





また、先月開催されたTomorrowland 2025では、未公開写真や映像ストーリーテリングを用いた144平方メートルのインスタレーション「Avicii Forever: The Tribute」が公開され、来場者が彼の人生を振り返る場が設けられた。Aviciiは今なお音楽シーンに大きな影響を与え続けている。