つい先日、『ULTRA JAPAN 2015』の第1弾ラインアップのアナウンスがありましたが、期待以上に豪華な出演者たちの顔ぶれに多くの人が“おーっ!”と喜びの感嘆を漏らしたはず。
なかでも、イギリスの権威ある世界的DJ&ダンスミュージック・マガジン:DJ MAGによる人気DJランキング「TOP 100 DJs」で5回も王座に輝いたアーミン・ヴァン・ブーレンの出演はファンの間でも大きな話題に! 今年始めにディプロなども参加した屋内型EDMミュージックフェス『electrox』でのパフォーマンスもまだまだ記憶に新しいところですが、早くも彼のプレイを、しかも『ULTRA JAPAN』で体感できるとは……!
今回は世界中をツアーで飛び回る多忙の合間を縫って、実現したアーミン・ヴァン・ブーレンの貴重なインタビュー。ぜひチェックしてください!

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――2015年は、1月4日に『electrox』で来日されました。新年早々の日本の印象はいかがでしたか?
「日本は常に音楽シーンの最先端にいると思うよ。実を言うと、僕がまだ駆け出しのころ、アメリカに行く前に日本に行ったんだよね(彼はオランダ出身)。その頃から、日本のクラブシーンではダンスミュージックの人気が高いというのが僕の印象なんだ(アーミンは初来日した2000年から7度来日し、12回の公演を行っている)。ヴェルファーレ(六本木にあった人気クラブ、1994年にオープンし、2007年閉店)やCODE(旧新宿コマ劇にあったキャパ1000人以上の人気クラブ)で何度も本格的なギグをやったよ。そのときと比べると、今回の『electrox』で僕のギグに足を運んでくれたファンの多さには本当にビックリだったね! 日本に行くのは本当にいつも楽しみさ。みんなフレンドリーだし、日本食も大好きだ。そして、もちろんビールもね!(笑)」

――日本にもEDMカルチャーが本格的に根付き始めて、あなたの認知度、人気も飛躍的に向上しているので、その結果は当然だと思います。EDMムーヴメント以降、ダンスミュージックを取り巻く環境は大きく変化しましたが、EDMについてあなたはどう思いますか?
「今起こっている現象は、僕としてはとても良いことだと思っている。どのジャンルのファンにとっても何かしらいい音楽が存在していて、ただただ単一的なサウンドではないからね。トランスで例えると、昔はひとつのタイプの音楽しかなかったけど、今ではサブジャンルとして、サイケデリックトランス、ボーカルトランス、オーケストラルトランスなどが存在しているよね。そして、現在はそれぞれのサブジャンルにヒーローが存在するんだ。今はいろんなスタイルが融合し進化しているし、それぞれのスタイルにファンがいるというのが現状だと思う」

――あなた自身で、楽曲制作やギグでの姿勢で変わったことはありますか? またオーディエンスが求めているものが変わってきたと感じますか?
「最も大きな違いはフェスティバルの規模とそこに来るファンの人数だね。以前はクラブ単位でのムーブメントだったけど、今はとんでもなく大きなものへとシーンが爆発したんだ。これは単なる一過性のブームではないと思うね。世界中を巻き込んだ文化的なムーブメントだよ。ビートルズがその世代の人々全員に影響を与えたように、このダンスムーブメントは今の若い世代全体を動かしている。作曲へのアプローチは今までとなんら変わらないけど、僕はトラックを制作するときに、同じ方法論でまた新しいトラックを制作することは絶対にしないんだ。毎回違うセッティング、違うサウンドを使うようにしている。そして、ここ数年はトラックというよりも、より“歌”としての構成に興味を持つようになった。いい“歌”が持つ力を信じるようになったんだ。もう20年以上も音楽を作り続けているし、その間いろんなことを学んだけど、今は台頭している若い世代の新しいサウンドには強烈にインスパイアされるよ」

――昨年リリースした「Ping Pong」は世界中で大ヒットしました。卓球をモチーフにしたユニークな楽曲で、ミュージックビデオで披露されるコミカルなダンスも話題になりました。
「実は「Pin Pong」は4時間で書き上げた曲なんだ(笑)。『Armin Only Intesne』(昨年リリースしたオリジナルアルバム「Intense」の世界ツアー)のライブ用に作りたかった曲で、リハーサル前に1日しか制作時間がなかったから急いで作ったんだ。元々リリースする予定はなく、あくまでもその日のライブ用に作った曲だったんだよね。『Armin Only Intense』ショーのライブ用のビジュアルを見ていた時にぱっと思い浮かんだアイデアだったんだ。だから「Ping Pong」を初めてプレイしたときの、オーディエンスのリアクションにはとても驚いたよ(笑)。この曲が人気のトラックになったのはとても素晴らしいことだね」

――「This Is What It Feels Like」(2014年のグラミー賞にノミネート)や「Alone」といったあなたのアンセムは、先ほどあなたが仰った“歌”にフォーカスされた楽曲です。一方で、「Ping Pong」や「Hystereo」のような楽曲も制作できるのがあなたの魅力のひとつだと思います。常に進化するEDMシーンで、オリジナリティを出す秘訣はなんでしょうか?
「何よりも、僕は音楽を愛するいちファンなんだ。ひとつのサウンドであらゆる曲を作れるアーティストを、いつも羨ましく思っているよ。なぜなら、それは僕には出来ないから。僕は常にインスパイアされていないといけないから、毎回違うことをやらないとダメなんだ。アイデアによってインスパイアされたいんだよね。スタジオでは、笑ったり、泣いたり、エモーショナルなものを感じていたい。僕が何かを感じない曲に、リスナーたちが何かを感じてくれるはずがないと思っている」

――あなたを語る上で外せないのがDJ MAGの「TOP 100 DJs」での偉業です。同ランキングでは、2003年以降、2014年までトップ3以降になったことがなく、“世界NO.1”の称号も最多となる5度獲得されています。これは、オーディエンスの人気の高さが反映されたものですが、このようなランキングの結果は気になりますか?
「音楽は競争であってはならないと思うんだ。音楽は極めてパーソナルな体験だと思うしね。60年代や70年代には誰がより人気のあるアーティストだということを決めるチャートなんてなかったでしょ。例えば、ビートルズとローリングストーンズのどちらが人気あるかとか……アーティストの位置づけはそれぞれ個々の好みと、何を信じるかによって決められていたと思う。アーティストはそれぞれ異なる個性と魅力を持っているしね。そもそも比べられるものではないと思う。例えば、僕のサウンドは、その他多くのDJとはまったく異なるものでしょ」

――確かに順位が下だからといって、そのアーティストが否定されるようなことがあってはいけませんね。
「だけどその反面、“どのサウンドが今現在一番人気を獲得しているのか”という議論が起こることはいいことだ思う。そうすることにより、その“サウンド”に人々の関心を引くことができるでしょ。世の中のダンスミュージックファンはトップ10にランクインしているDJの“サウンド”が好きだからそのDJを観にいくし、または彼らの友達がその“サウンド”が好きだから、そのDJたちのライブを観に行きたいんだと思う。だからこういったランキングで、僕はどのDJもライバルだとは思っていないよ。その逆でほとんどのDJはいい友達なんだ」

――オランダは決して大きな国ではありませんが、ダンスミュージックに関しては、世界一と言っていいほどの偉大なアーティスト、アンセムを生んできました。あなたの他に、ティエスト、ハードウェル、マーティン・ギャリックス、アフロジャックなど名前を挙げるとキリがありませんが、このような環境はどのようにして形成されたのでしょうか?
「ハハハ、オランダではみんなダンスミュージックを聴いて生まれ育っているんだよ(笑)。実際に凄く若い人たちには、レコードを買って、ダンスミュージックを聴くということがクールとされている。そして、何年間も継続的に世界有数のダンスミュージックイベントがオランダでは開催されていた。90年代初頭には既にダンスミュージックがオランダのラジオなどで高い人気を誇っていたし、そのような環境でみんな育って、僕自身も友達などが聴いていた新しいサウンドに常にインスパイアされていた。でも、オランダ以外の国の出身のDJに関しても同じことが言えると思うよ」

――そんなオランダのなかで、いい若いアーティストを教えてください。
「Mark Sixma、David Gravell、MaRloには注目しといた方がいいよ!」

――世界中をツアーで回って様々なフェスやイベントに出演されています。“この曲をプレイすると間違いなく盛り上がる”という曲を3つ教えてください。
「「Ping Pong」と「This Is What It Feels Like」は僕にとって非常に重要な曲だね。あとは、僕のラジオ番組である『A State Of Trance』の放送700回記念に制作した「Together」もすごくオーディエンスの反応がいいね! 日本のみんなにもぜひチェックしてほしいな」

――では、最後に日本のファンにメッセージをお願いいたします。
「僕自身およびオランダ人全般に言えることだけど、日本との関係が大好きだし、日本の文化を尊敬している。日本に行くと本当にアットホーム的な感覚でいられるし、もう15年以上も僕のファンで居続けてくれている日本のファンには心から感謝している。みんなのサポート無くして、今僕がやっていることは不可能なんだ」

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このインタビューは、『ULTRA JAPAN 2015』への出演が発表される以前に行われたため、彼の意気込みを直積尋ねることはできませんでした。しかし、『ULTRA JAPAN 2014』の話題になったときに、アーミンはこう語っています。

「『ULTRA JAPAN 2014』のチケットの売上のニュースにはかなり驚いたよ。『ULTRA KOREA』ではプレイしたことがあったから、韓国では盛り上がっているのはわかっていた。でも、実は『ULTRA JAPAN』にはそこまでは期待をしていなかったんだ。日本のダンスミュージック・マーケットはいつも他の国と少し違っているし、少し上を行っているからね。ヨーロッパやアメリカでブームができる前に日本のダンスミュージック・カルチャーはブームがあったからさ。2日間で4万人も集まったなんて、すごく驚いたよ。本当にすごい! 今年の『ULTRA JAPAN』でプレイできるといいな。『ULTRA JAPAN 2015』でプレイすることは、僕の夢のひとつと言えるかもしれないね」

本当にちょっと前までは、アーミンはこう語っていました。『ULTRA JAPAN 2015』でアーミンのプレイを体感したいファンと、日本のファンの前でプレイしたいアーミン。この2つの強い思いが今回実現するんです! こういった舞台裏のエピソードも頭の片隅に置いてもらえると、半年後に開催される『ULTRA JAPAN 2015』でのアーミンのプレイは、よりドラマチックなものになるかもしれないですね!

interview by Hideo Nakanishi

ULTRA JAPAN 2015
会 場:TOKYO ODAIBA ULTRA PARK (お台場ULTRA JAPAN特設会場)
日 時:9月19日 (土)、20(日)、21(月・祝)
出演者:Armin Van Buuren, David Guetta, Nicky Romero, Skrillex
http://ultrajapan.jp/

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Armin Van Buuren
「Anthems」
avex
http://www.arminvanbuuren.com