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人気スタイリスト小倉正裕さんに聞く、EDMファッションとは? – 前編 –

「ULTRA JAPAN 2015」でファッション・アドバイザーを務める、スタイリストの小倉正裕さんとEDM MAXXのコラボによる「ファッション通信シリーズ」第1弾。EDMシーンについてやファッション・トレンドなどをインタビュー形式にてお届けします!

これまで原宿を起点に写真家の新田桂一さんなど、様々なクリエイターと組んでシーンを盛り上げてきたファッション・スタイリストの小倉正裕(おぐら まさひろ)さん。

2015年の「ULTRA JAPAN」で公式アカウントのInstagram / Facebook等で発表されたオフィシャルのヴィジュアル作成を務めるなど、最近は特にEDMに熱い眼差しを向けています。

考えてみれば、あらゆるカルチャーのルールに縛られず独自のミックスを行う小倉さんと、“自由”あるいは“DIY”をリプレゼントしているEDMカルチャーがリンクするのは当然の結果ですよね。

今回はEDM MAXXによる「EDMファッション通信シリーズ」の第1弾として、小倉さんに“EDMファッション”について聞いてみました。

インタビューは2部構成。前半は「小倉さんとEDMとの出会い」、そして「EDMファッションとは何ぞや?」について。さっそくどうぞ!

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小倉さんとEDMの出会いについて

――小倉さんはこれまで特定の音楽からファッションの面で影響を受けたことはありますか?

アメリカのトップ40から、メタルやハードロック、パンク、ヒップホップまで、ひと通り影響されてきました。基本はパンクだけど、レゲエもヒップホップも含まれているザ・クラッシュの『Sandinista』なんかは特によく聴いていました。高校生の頃です。

バイト代はすべてライブにつぎ込んでいて。一方で芝浦「GOLD」や西麻布「Yellow」のようなクラブにも通っていましたね。常にファッションより先に音楽があったんです。

――ということは、ファッションに関しても雑食?

そうですね。モッズ、パンク、アメカジ、B-BOY……僕はそういうジャンルを横断していたから、自分の感覚がおかしいと思っていたんですよ。

でも、自分が19歳くらいの時にレッチリが出てきて、それでも大丈夫なんだと思えました。

――そもそも、小倉さんがEDMに着目したきっかけは何ですか?

EDMというジャンル名が付く前からアンダーワールドのような音楽は聴いていたんです。その後、「WOMB」でヨーロッパのダンス・ミュージックで踊るようになったり。

EDMというワードを意識したきっかけは、小橋賢児さん(ULTRA JAPAN クリエイティブディレクター)が、2012年のULTRA KOREAに誘ってくれたことですね。

――EDMが出てきた当初の印象は?

キラキラした乙女ハウスという感じ。綺麗な女の子がフロアに現れるようになって。EDMというジャンル名は知らないうちに生まれましたね。先ほども言ったとおり、90年代からこういう音楽はあったような気がするんですが。

DEXPISTOLSとか国内のDJたちがダブステップ、エレクトロなどのシーンを盛り上げ、それ以後、海外からちょい遅れて国内DJたちもEDM的な音を全国的に回しはじめて、そこから徐々にEDMという呼び名がメジャーになっていった。

音楽性でいえば、ブラック・アイド・ピーズなんかも先駆けだったと思います。

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EDMファッションについて

――小倉さんが“EDMファッション”を定義するとすれば?

まだ確立されてないと思いますが、2015年はあえていうとすれば①70年代ボヘミアン②スポーツ③ストリートモード④ロック、4つの要素がまざっているのが今のEDMファッション。フェス・ファッション全体の流れともリンクしています。

――現場で支持されていると思ったブランドを教えてください。

ウィメンズ(女性)に関してはEMODAとかMOUSSYが提案していることがうまく落ちているなと。
メンズ(男性)はスポーツとストリートが強く、NikeadidasStussyあたりですね。Y-3もちょくちょく見かけました。

――たとえば、「ULTRA JAPAN」には他のフェスとくらべてスタイリッシュなお客さんが多かったように思うのですが、ずばり2015年のEDMファッションの特徴とは?

2014年はただ派手だったのが、2015年はすこしシックになって、ようやくEDMファッションというものが生まれつつあるんじゃないかと。

特に日本人はジャンル分けしてから自分のスタイルを作っていくのが得意だから、これから独自の発展を遂げる予感がしています。

昔は「ロック=古着」みたいなイメージがありましたが、今はオーディエンスが勝手にミックスする時代。コレクションのアフター・パーティーでもディプロとかスクレリックスが回しているから、EDMがファッション・トレンドの真ん中にきている感じがしますね。

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――確かに、EDMの現場ではファッションと音楽がちゃんとリンクしています。

「みんなでお洒落していこうよ」という連帯感がありますよね。非日常的な空間に行く感覚というか。

今は提案する側と、受け取る側が、うまく意思疎通できているんじゃないかな。しかも、2015年の「ULTRA JAPAN」はアーティストごとにちゃんとファンがついていたし、ただのお祭り騒ぎじゃないのがいい。

小倉さんのInstagramをチェック!
注目のEDMファッションも満載

今回は、小倉さん自身によるEDMとの出逢いや興味のキッカケ、そしてEDMシーン&EDMファッションについてを語ってもらいました!
後編では、実践できるコーデのポイントなどアドバイスをもらっていますので、お楽しみに!

Interviewed by Hiroaki Nagahata
Photo (Party Snap) by Masato Yokohama
Photo(小倉正裕) by Tasuku Amada