モデル、シンガーソングライター、そしてプロデューサー・DJとして、すでに母国オーストラリアだけでなく、世界的な成功を収めているミリアム(Mim)&オリヴィア(Liv)の双子姉妹デュオ、ナーヴォ。

彼女たちは、なんと18歳でソングライターとして契約。ロンドンを拠点にケシャやアシュレイ・ティスデイルなどに次々と曲を提供し、その後、偶然出会ったDJのデヴィッド・ゲッタにミックステープを聴かせたことがきっかけでコラボが実現。

2009年にはゲッタと共同プロデュースした「When Love Takes Over feat.Kelly Rowland」でグラミー賞を受賞と、まさにシンデレラストーリーを歩んできました。

David Guetta Feat. Kelly Rowland – When Love Takes Over
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その後のDJ活動は「Tomorrowland」や「ULTRA」など数多くのビッグフェスに出演し、あれよあれよという間にEDM界のトップDJと呼ばれるようになったのはご存知の通り。

ちなみに、日本でも安室奈美恵などに楽曲提供しているという親日ぶりです。

安室奈美恵 – Love Story
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そんなナーヴォが、今年6月の来日に続き、12月28日(月)ELE TOKYOに再来日します!

そこで、今回は2015年夏にリリースしたばかりのデビュー・アルバム『Collateral』とともに彼女たちのスゴさを振り返ってみましょう。

「曲をマイスペースにアップしていた頃、ブロガーからの評判が良くて、“もっと表舞台に出てきたら?”と言われたの。でも私たちは曲を書くのが好きだから、毎日スタジオに籠っていろんなアーティストに曲を書いたわ。

ピアノでの作曲から少しずつパソコンを使ったエレクトロ系に入っていった時に、DJにも興味を持ちはじめて、自分たちのベッドルームとかでやり始めた。

ある日、デヴィッド・ゲッタから“ミックステープを送って。気に入ったら応援するから”って言われて。その結果、彼のオープニングアクトを務めることになって、人生が大きく変わったのよ」(Mim)

常に心がけているのは、自分たちがやることに対してモチベーションとワクワク感を常にキープしていること。自分たちのキャリアを振り返ると、常に刺激を求めているの。

ポップ・ミュージックの世界を疾走して、そこからさらにダンスミュージックの魅力に気づいて、DJの世界に移動してきた。常に自分たちをインスパイアさせてくれる次のステージを探しているわ」(Liv)

「音楽業界の中でも、DJシーンは本当に男社会なの。女性DJはセクシーであればいいと思っている人がいるみたいだけど、第一線で活躍していきたいのなら、そんなことでは通用しないわ」(Mim)

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今夏リリースされたデビュー・アルバム『Collateral』は、これまでの彼女たちの活動を締めくくるようなバラエティに富んだ内容。「自分たちの個性をどう出すか」そんなハードルを乗り越えて作られたアルバムだ。

彼女たち自身の声を巧みにフィーチャーした、2013年のヒット曲「Hold on」についてのエピソードもナーヴォらしい。

「旅の途中で、勝手に曲ができちゃった(笑)。当時、私は失恋して傷心だったんだけど、ビート的にはガツンと来るものがほしくて、でもその頃のエレクトロシーンはメロディ系が主流だったからこんな感じになったの。この曲に関しては誰も歌うにふさわしい人が見つからなかったから、デモで使っていた自分たちの声をそのまま使ったのよ」(Liv)

また「Oh Diana」という意味深なタイトルがつけられたインスト楽曲については……

「歌モノにしたくなかったしシンプルにしたかったから、サンプリング集から声だけ使った。それがダイアナ妃のものなのかはわからないわ(笑)。

私たちはインストが凄く好きだし、特にクランチな感じのこういうナンバーはガンガン行く感じで、大きいフェスほどウケがいいの」(Liv)

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日本からは植野有砂(ALISA UENO)も参加した、女の子ならみんな好きなはずという「Hey Ricky ft. Kreayshawn, Dev & ALISA」については……

「やんちゃな感じの女の子たちをたくさん集めて、ガールズパワーアンセムを作ろうと、結構前から考えていた曲。

ステージではアジーリア・バンクスをフィーチャーしてやったこともあったし、クレイショーンは素晴らしいアーティストだから、一緒にできることは夢だったわ。

彼女はラップをするし、映像も作るし、才能ある素晴らしいアーティスト。しかも母親なのよね。本当に凄いわ。

Facebookで繋がって、“私たちはあなたが監督した映像作品が大好きなの”って話したら、このミュージック・ビデオを制作してもらえたの」(Liv)

NERVO / Hey Ricky ft. Kreayshawn, Dev & ALISA
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そしてアルバムのクライマックスともいうべき、EDMという枠を超え、豪華な顔ぶれが参加したチューン「The Other Boys ft. Kylie Minogue & Jake Shears & Nile Rodgers」

「EDMではなく、もっとディスコなタイプの曲を書きたくて、2年前のダフト・パンクのアルバムが出た頃に書いたの。

ちょうどツアー中でジェイク(シザー・シスターズ)と一緒にオーストラリアにいた時に、彼にこの曲を聴いてもらったら、とても気に入ってくれて、それで一緒にレコーディングしたのよ。

ジェイクも私たちもカイリー・ミノーグと友達だったから、レコーディングに彼女も誘ったら、“いいわよ!”って返事してくれて。さらに私たちはNYでナイル・ロジャース(シック)のスタジオに呼ばれて一緒に仕事をすることになって、彼がギターを弾いてくれたのよ。この豪華メンバーがたった1年で揃うなんて凄いわ!」(Mim)

「今までやったことのない凄いヴォーカル・セッションだったの。ヴォーカルだけで420トラック録ったから、コンピューターが壊れたし(笑)。

自分たちが歌って、その次にジェイクと私たちが歌ってミックスして、その時点でハーモニーが凄いのにカイリーが入ってきて、彼女が全部のヴォーカルを歌ってくれて、そこにナイルが来たからすごい量になったのよ」(Liv)

NERVO / The Other Boys ft. Kylie Minogue, Jake Shears & Nile Rodgers
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アルバムタイトルの『Collateral』(コラテラル)については、こんなエピソードを語ってくれた。

「昔からの尊敬する友達がいて、彼は音楽業界の中でも成功している人なんだけど、6年くらい前に私たちがキャリアのどん底にいて、“音楽業界でやっていくのが嫌になっちゃった”と感じていたら、彼から“やめちゃダメだよ。全部そのうち繋がっていくし、自分たちの作った曲も人間関係も全部が財産(Collatelal=コラテラル)になるから”って言ってくれて。

その時はまだ意味が良く分かっていなかったけど、今になって全部これらが相乗効果として最終的にはうまくいくんだってわかったから、コラテラルという言葉をデビュー・アルバムに選んだの」(Liv)

そんな思いの詰まったアルバムを聴いてくれたファンのみんなへ最後にメッセージを残してくれた。

「夢を実現するには、自分自身に誠実で自分らしさを失わないことが大切。クリエイティヴなことをやっていると、その作品を好きじゃないと言う人もいるけど、逆にそれが大好きと言う人も出て来るから諦めずに続けてほしいわ」(Mim)

「これまでの濃密なキャリアの蓄積がたっぷり詰まった15曲からリスナーのみんなにパワーを受け取ってもらえたら嬉しいわ!」(Liv)

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THE WEEKEND -NERVO来日公演
日 時:2015年12月28日(月)22:00〜
会 場:ELE TOKYO

03.2015_NERVO_OFFICIAL
Nervo
『Collateral』

avex
http://avex.jp/nervo/

Text by EDM MAXX編集部(James)