世界を拠点とするダンスミュージック界の人気プロデューサー、アフロジャックが2018年に次世代のスーパースターを発掘すべく大規模なリミックスオーディション“AFROJACK presents GLOBAL REMIX BATTLE I powered by PMC SPEAKERS”を開催しました。

日本人プロデューサーが契約獲得!

応募総数3,000組を越える未来の人気プロデューサー候補の中から見事入賞を果たし、現在はアフロジャックが社長を務めるLDH EUROPEと契約。

さらに傘下のレーベル”Wall Recordings”内に新たに立ち上げられた新設レーベル”WALL UP”からのリリースを果たした日本人プロデューサー、SLAY(スレイ)

リミックスバトルに参加したきっかけや、デビューに到るまでの経緯、アフロジャックから受けたサポートやアドバイス、さらには彼の自宅に招かれた話など、これまでの貴重な体験について語ってくれました。

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アフロジャックを虜にした才能

——最初にリミックスバトルに参加しようと思ったきっかけは?

参加しようと思ったのは実はたまたまなんです。自分が作ったダブステップだったり、トラップだったりの音のアイデアをそれまでによくInstagramにアップしていたのですが、それをWALL Recordingsのファンが見てくださっていて、その中の1人にちょうどオーディションがあることを教えてもらって、参加してみようと思いました。

——ご自分でデビューのためのオーディションやコンテストを探していたというわけではなかったんですね。結果的に入賞後にLDH EUROPE、WALLとのアーティスト契約となったわけですが、リミックスバトルに参加する前は、主にどんな活動をされていましたか?

SLAYという名義では以前から活動していたのですが、その時は2人組でした。

トップライナーと組んで、日本のアンダーグラウンドで活動しているダンスグループに楽曲を提供していました。自分たちの名義でのリリースなどはなかったのですが、曲も自分たちで作れるし、もう少ししたらDJ活動含め、クラブ志向で活動をしようかなと考えていたタイミングでちょうどリミックスバトルがありました。

ただ、トップライナー(ボーカルのメロディー制作を手がける人)は、最終的にSLAYから抜けてトラック制作まわりのことをやっていた僕1人のプロジェクトになりました。

——入賞後、アーティスト契約となりましたが、どのような流れで契約に至りましたか?

選考中だと思いますが、その段階でコンテスト主催者側からの反応が良く、まだ選考中だけど楽曲のクオリティーが高いから今後もしかしたら連絡するかもしれないといっていただきました。

でもアフロジャック本人は、予想よりも僕の音源のクオリティーが高いと思っていたからか、本当に自分で音楽制作をしているのか? と少し懐疑的だったみたいです。

——えっ、じゃあ本当に制作している証拠をだせとかいわれたり?

さすがに直接はいわれませんでしたが、音源のマスターだとか、制作しているセッションファイルをスクショで送ってくれという指示や、その後に”これは他人が作ったものをそのまま転用してるんじゃないよね?”とか細かい質問もありましたね。

それ以外にもどういう流れで楽曲を制作しているのかがわかる動画を送ってくれといわれました。そういうやりとりがあってやっと本当に音楽が作れることを理解してもらったという感じですね。



アフロジャックから直々に!?

——そんなやりとりがあったわけですね! その後、実際にプロになるための契約となりましたが、その時はどんなことを感じましたか?

特に一気になにかが変わっていくということはなかったのですが、WALLのスタッフに自分が作った音楽を聴いてもらい、ひとつひとつここはもっとこうした方が良いとかアドバイスをいただけるようになりました。

またリリースするためにはアフロジャック本人の判断も最終的にあって、そこをクリアしないとリリースはできません。

だから、彼に何か違うと指摘された場合は、そこは変更しなくてはならないのですが、それまでは自分だけでやっていたのでこういったことはなく、やはりプロは違うなと感じました。

——そういうアドバイスは音楽制作をする上で参考になりますか?

参考になりますね。第三者の意見というか、アフロジャックはこういう風に考えているみたいなことを知ることができるのは貴重だと思いますし、それをトライしてみた結果、確かにこっちのほうが良いなと実感することもあります。

——アフロジャックからは具体的にどんなアドバイスがありましたか?

例えば曲の開始50秒以内にオーディエンスがこの曲を聴こうと思えるような音が入ってないと彼らは曲を聴かない。だから展開で飽きさせないようにすることなど曲の構成に関することについてですね。

あと自分の感覚だけで制作しているとわからなかったりするのですが、彼からの細かいアドバイスを受けることで、「この音は今、いらなかったなぁ」とかそういった曲をよくするための気づきがあります。



スクリレックスも才能を認めた!?

——音楽制作にかかわるテクニカルな部分でもかなり細かくアドバイスしていただけるんですね。

トッププロの目線というか、この業界で結果を出す、”売れるための方程式”のようなものは常に教えていただけているという感じです。

——アフロジャックからのサポートの話でいえば、Ultra Miami 2019でのプレイサポートなどもありました。ほかにも有名DJが曲をプレイしたり、曲へのフィードバックをもらうようなことはありますか?

アフロジャックと繋がっているザ・チェインスモーカーズだったり、スクリレックスのようなアーティストには随時、僕の作品を紹介していただいているようです。

スクリレックスからはサウンドデザインがすごいねというフィードバックもありました。ほかにもゼッズ・デッドやカシミア、WALLのアーティストたちにもプレイサポートや彼らのプレイリストにてピックアップして頂きサポートしてもらっています。

——Ultra Miami 2019 では実際に現地でアフロジャックがSLAYさんの曲をプレイする様子を見たとお聞きしました。

これは契約前の話になりますが、アフロジャックに呼びだされてアムステルダムに行くことになっていたものの、そこから急遽、彼のドバイの自宅に行くことになりました。ドバイでは本人からアーティストとしての心構えなど今後活動していく上で大切なことを教えてもらいましたが、その後にまたマイアミに移動。そこで自分の曲がプレイされる様子を見させてもらいました。



アフロジャックの自宅スタジオへ!

——すごい移動距離と話ですね(笑) それまでは海外にはよく出かけたりしていたのですか?

いえ、全く海外には行ったことがなかったのですが、LDH EUROPEのスタッフから3週間程度予定を空けておいてくれる? といわれていまして。

その1週間後に成田からアムステルダムに飛んで、着いた数時間後に今度はいきなりドバイに行くことになって(笑)

ドバイに着いたら着いたでアフロジャックの自宅に泊まることになったっていう…


——正直なところ、どんな心境でしたか?

色々なことがありすぎてあまり頭が回らないというか…

でもその後は一緒に食事をしたり、スタジオに入ったりしましたが、実はその時がアフロジャックとの初対面。しかも初めて出会ったのが彼の自宅ですごい豪邸という…

それから2日間くらいそこに滞在していました。

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——その時はどんなものを食べましたか?

彼の自宅には執事みたいな人がいて、例えば「お腹が空いた」といえば、ものの5分くらいでものすごいクオリティの料理を出してくれるんです。

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——さすがEDMスターですね! ちなみにスタジオではどんなことがありましたか?

アフロジャックのドバイの自宅って、家の中にスタジオ自体も3個くらいあるんですよ。

その時は、WALL所属のドイツ人ユニット、ジュエルズ&スパークスがいたので交流したり、アフロジャックの専属エンジニアたちもいたので、曲のミキシングについての細かい部分を教えてもらったり、とにかく音楽漬けの生活を過ごしました。

その後、またアムステルダムに戻って、次にマイアミに向かったのですが、そこではアフロジャックが手配してくれていたクルーザーに乗って、Ultra Miamiの会場に行くという経験をさせてもらいましたね。

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——ええっ! 本当ですか? それってお金では買うことができない貴重すぎる体験ですね!

最初にアムステルダムに着いた時も、ついて3時間くらいでいきなりドバイに向かうことになったり、今度はドバイからアムステルダムに戻ったと思ったら、次はマイアミに行くことになったっていう。

これはなかなか豪快な話だと思います(笑)

目指すは世界ランキングTop100!

——大変そうですが非常に夢がある話だと思います。すでに”WALL UP”から”The Flow / Creeping”と”This is The Way”という2作品をリリースされています。そして、7月には日本でもDJデビューされました。今後予定されているギグはありますか?

今年は10月にアムステルダムのADE(Amsterdam Dance Event)期間中にブッキング調整してくれていると聞いています。



——アフロジャックはDJプレイもプロ中のプロだと思いますが、それに関してもアドバイスはあったりしますか?

DJのことに関してはメールでメッセージをもらっていて、彼からは人前にでる限りは自信をもってプレイすることや自分の音楽を表現することなどを心構えとしてアドバイスしてもらいました。

あとヨーロッパはヨーロッパにハマる選曲があるから、現地のチャートをちゃんと見て分析しながら選曲、プレイすることも大切だということもいわれましたね。

——なるほど。それは確かにプロ目線でのアドバイスですね。では最後に今後の活動の抱負を聞かせてください。

DJに関しては楽しんでプレイしたいと思います。またせっかく良い環境を与えてもらっているので、アフロジャックの後を追っていけるようにがんばりたいし、海外のヒットチャート”TOP40”に入る曲をリリースしたり、DJMagのTop100 DJsに入れるようなアーティストになりたいです。



SLAY プロフィール

アフロジャックとLDH EUROPEが開催したリミックスコンテスト”Global Remix Battle I”にて才能を見出された次世代を担う日本人DJ/プロデューサー。SLAYの奏でるキャッチーでヘヴィーなトラップ・サウンドはアフロジャックをまたたく間に虜にし、2019年6月にアフロジャックのレーベル”Wall Recordings”の新サブレーベル”WALL UP”から”THE FLOW”と”CREEPING”の2曲を同時リリース。
https://soundcloud.com/slayhiroki

アフロジャックのリミックスバトル第2弾募集中!

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Afrojack presents GLOBAL REMIX BATTLE II
powered by PMC SPEAKERS

応募期間:2019年6月1日〜2019年9月12日
http://afrojack.com/globalremixbattle

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Text by letter music / EDM MAXX編集部