UKドラムンベース界のトップランナー、Dimensionが最新EP『Hardest D Style EP』をリリースした。
Dimensionはロンドンを拠点に活動するプロデューサーで、UKドラムンベース・シーンを語るうえで欠かせない存在だ。ドラムンベースを軸にしながらも、テクノやトランスの高揚感を積極的に吸収し、4×4キックを多用したフロア直結型のレイヴ・サウンドへと進化を遂げてきた。従来のブレイクビーツ主体とは一線を画すそのスタイルは、アンダーグラウンドの熱量とアリーナ級のスケールを併せ持つ。
今年はドラムンベース・アーティストとして約10年ぶりにEDC Las Vegasメインステージへ登場する快挙を達成し、さらにSub Focus、Culture Shock、1991とのプロジェクト=WORSHIPでもツアーを展開するなど、ジャンルの存在感を世界規模で押し広げている。
■ EDC Las Vegas 2025ライブセット
2025年最初のリリースとなる本作は、Dimensionの現在地と加速する勢いを示す全3曲で構成されている。「Bass Thump」と「London Sound」は、彼の代名詞ともいえる4×4ドラムンベースを貫いた直球のフロア・ボム。「Bass Thump」では、Marlon Hoffstadt「It’s That Time (Dimension Remix)」でおなじみの“Go”サンプルが再び登場し、強靭なキックとともにアグレッシブな推進力を叩きつける。
■ Marlon Hoffstadt – It’s That Time (Dimension Remix)
続く「London Sound」は、ダークでアンダーグラウンドな空気をまとったウェアハウス系トラック。「Are you ready for the London sound? / We’re gonna take you to the underground」というボーカルとともに緊張を高め、ドロップでシャープなキックとともにエネルギーが一気に解放される構成は圧巻で、Dimensionの緻密なサウンドデザインとクラブカルチャーへの深い敬意が滲む。
ラストを飾る「Blow My Whistle」は、2000年代のアンセムとして知られるDJ Aligator「The Whistle Song」をリワークしたハードダンス寄りのキラー。前半2曲の張り詰めたムードから一転、けたたましいホイッスルと跳ねるグルーヴが“レイヴの無邪気な多幸感”を全面解放し、EPを鮮烈に締めくくる。