アンダーワールドやルイ・ヴェガなどの強豪を差し置いて、グラミー賞の最優秀ダンス/エレクトロニック部門で見事受賞を果たしたフルーム

フューチャーベースの旗手(中心人物)として、一大ムーブメントを巻き起こしている彼のインタビューが実現。

グラミー賞の感想から、受賞アルバム『Skin』について、プライベートの過ごし方などを語ってもらいました!

Flume 2016_credit_Cybele Malinowski-360_Fotor

——アルバム『Skin』でグラミー賞最優秀ダンス/エレクトロニックアルバムの受賞おめでとうございます。授賞式はどうでしたか?

クールな体験だったよ。父親もオーストラリアから飛んできてくれて一緒に出席。凄く長い授賞式だったけど、記念すべき1日になったよ。


——特に印象的だったパフォーマンスや会いたかったスターは?

お金の掛け方にビックリしたよ。ザ・ウィークエンドとダフト・パンクの共演パフォーマンスも印象的だったし。

グラミー初体験の僕としては、ひたすら傍観しているって感じだったかな。

特に会いたいスターはいなかったけど、セレブは周囲にいっぱいいたよ。父親と一緒だったから、僕は大人しくしていたけど(笑)。


——アルバム『Skin』を振り返ってどうですか?

時間は掛かったけれど、仕上がりにはとても満足している。ネクストレベルに上がれたって思うんだ。

ファースト・アルバム『Flume』は、あれはあれでクールだったと思うし、自分のスタイルを編み出すことができた。

でも『Skin』に関しては、もっと広く主要なラジオ向けというか、メインストリームにも受け入れられている。全然スケールが違うよね。



——アルバム制作時からラジオ向けを意識していた?

うん、そこは確かに意識していたよ。オーストラリアからLAに来て録音したのもそのためだった。LAでコラボをしたかったんだ(ベックやアルーナジョージ、ヴィック・メンサらがゲスト参加)。

アルバムにはそういうラジオ向けトラックもあれば、そうじゃないトラックも収録されていて、最終的にはそのバランスが上手く取れたんじゃないかな。



——ダンスミュージックを作っているという意識は?

元々はクラブミュージックを作っていたんだよ。ハウスやテクノなど、エネルギッシュなクラブ向け音楽を作っていた。

フルームに関しては、サイドプロジェクトという感じで、あまりクラブ向けとか考えていなかった。創造性を発揮する場所という感じかな。でも、そっちの方が脚光を浴びたんだから面白いよね。

フルームとして初めてフェスに出演した時は、物凄く不安だったよ。元々ダンスをするために作った音楽じゃなかったからね。でも初めてフェスでやった時「うわっ、これでみんな踊っちゃうんだ!」って驚いたよ(笑)。



——フルーム風のサウンドが巷に溢れているけど、先駆者としてはどんな気分?

モロパクリみたいなのを聴く度に、最初の頃はイラついていたんだ。

でも、そのうち違うふうに思い始めてきた。パクリたいほど好かれてるんだって、ちょっと誇らしくも感じたり。パクリたいなら自由にどうぞって感じかな(苦笑)。

僕は自分のやりたいふうにやるだけ。追従したりトレンドは追いたくないよね。



——先頃プライベートで来日していたそうですが。

北海道に行ってスノボをしてたんだ。あと『Fuji Rock Festival』にも出演したことがあるし、友達と東京に遊びに行ったこともあるよ。


——日本に関して何か興味がある?

とにかく日本文化だね。みんなが互いを尊重しあってて、誰も物を盗んだりしないよね。食べ物も最高だし。

日本は変わっているし、他国と違うし、妙だけど、ホントにいい意味でそれが魅力的。ニセコでは小さなバーにもいっぱい行ったよ。東京は世界中のどの街とも似ても似つかない。

日本食も大好き。日本食なら何でも歓迎だけど、特に刺身が大好きなんだ。あとラーメンも。食事ならイタリアンか日本食だね。


——スノボのほか、サーフィンも好きですよね。

うん、海の近くで育ったせいなんだ。次回日本に行く時は、絶対サーフィンもやりたいな。家の近くにビーチがあって、サーフィンをいつもやっていた。自然に囲まれているのが好きなんだ。

この間、サーフボードも買って車の後ろに積んであるから、いつでも取り出して使える。スピーカーも装備したから、ちょっとしたスタジオみたいな車だよ。電源は屋根の上のソーラーパネルから取れるんだ。

うん、家にいる時は機材をいじってばかりいるけど、自然の中にいるのが大好きなんだ。

FLUME_Skin
Flume
Skin
Future Classic
iTunes / AWA
http://www.flumemusic.com




Text by Hisashi Murakami