イギリスの権威ある世界的DJ&ダンスミュージック・マガジンDJ MAGによる人気DJランキング「DJ MAG TOP 100 DJs」では、2年連続で1位を獲得し、『Tomorrowland』や『Ultra Music Festival』といったトップフェスにはヘッドライナーとして軒並み出演。とにかく現在、世界NO,1 DJの名をほしいままにしているハードウェル。

今回EDM MAXX編集部では、そんな彼にインタビューすることができました!
先日リリースされたファースト・アルバム「UNITED WE ARE」のこと、そして彼が心から大事にしているファンのことなど、世界NO,1 DJの本音が満載です! なかなか見ることができないハードウェルの貴重なインタビューは必見!

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——つい先日、待望のファースト・アルバム「UNITED WE ARE」をリリースされましたが率直な感想は?

「(アルバムのリリースは)もう何年も前から目指してきたことだから、個人的には大きな目標がようやく達成されたという気持ちさ。リリースのタイミングについて、もうそろそろだなと思い始めたのはここ2年のことなんだけどね」

——今がリリース・タイミングだと思った理由は?

「ここ数年、常にツアーをしてきて、その間僕はサウンドと同時に人間としても成長することができた。音楽的、そして人間的にも大きく進化することができたんだ。この進化、僕が体験した経験をファンと共有できるものが作りたくて、それにはアルバムが最も適していると思ったんだ」

——それはアルバムのタイトル「United We Are」に通じるものがある?

「このアルバムでは、ダンス・フロアにおける僕と音楽、そしてファンとのコネクション(繋がり)を表現したかったんだ。僕のライヴで一番大事なことは、僕とファンとの関係性、そしてその瞬間みんなで音楽を愛しているという気持ちを共有することなんだ。国籍や人種に関わらず、僕らは常に音楽によって1つになれるし、それはスペシャルなことだと思う。そして、そんな気持ちにさせてくれるファンこそが、僕にとっては本当にかけがえのない存在なんだ。だから、今回のアルバムでは“僕らは1つ(Unity)”ということをテーマにしたんだ」

——DJ MAGによる「DJ MAG TOP 100 DJs」では2年連続で1位を獲得したこともあって、世界中の人たちはあなたの作品を心待ちにしていたと思います。そういったプレッシャーは感じてました?

「プレッシャーはあったよ、僕は常にファンが喜ぶ音楽を提供したいと強く思っているからね。今回の作品もファンのために作ったものであり、批評家たちのために作ったものじゃない。だから、ファンがどう思ったのかが僕が唯一気にすることなんだ。僕の作品をファンが理解し、みんながコネクトできる音楽を提供したかったし、同時にみんなを驚かせる要素も入れたかった。新しいもの、フレッシュなものを作ることはすごく難しいことだったけど、僕にとってプレッシャーはプラスにしかならなかったね。今のところファンのみんなはこのアルバムを聴いて喜んでくれているので、僕にとってはそれが一番大事であり、一番嬉しいね」

——今回の作品では、ティエストやW&W、ジェイソン・デルーロやハリソンをはじめ様々なアーティストとコラボしていますが、その人選はどのようにして決めたんですか?

「アルバムを制作するうえで、コラボしたいアーティストは前もって数人決めていたんだ。彼らに僕から連絡をして、ディスカッションし始めたって感じさ。なかでもティエストとミスター・プロブズは、ファースト・アルバムで絶対に一緒にやりたかった2人だね。彼らとは昔から友達だし、苦楽をともにした仲なんだ。僕のキャリアにおける大事なステージを、彼らと一緒に体験できたことはとても意義深いことだったよ」

——コラボするときはどのようなスタイルで制作していくんですか? あなたがトラックを制作していく? それとも違った形で?

「コラボレーションのプロレスは、その時々で違うね。たとえばハリソンとの“Sally”は、彼とイビザで会って、いろいろと話をしているうちにお互いロックが好きだということがわかったんだ。それで、何かエッジーなことをしようっていう流れでできたのが、アルバムの1曲目になったんだ。ジェイソン・デルーロは、もともと彼のアルバムのトラックをいろいろと手伝っていて、その流れで今回僕のアルバム用に彼が1曲トップラインを書いてくれることになったんだ。その後、何曲がトラックを聴かせて、その中の1曲を彼が気に入ってくれてトップラインを書いてくれた。それが“Follow Me”だよ」

——聞いた話では、最初から最後まで、アルバムのミックス作業まで自分でやられたとか?

「僕はすべての工程を自分でやる。スタジオ制作に関しては、僕は異常なほどこだわりがあって、すべてのクリエイティブ・コントロールを自分でしたいんだ。何年もかけて自分の音を作り上げてきたわけだし、そこは譲れないんだよね」

——こだわりという部分では、あなたはどうやって1曲を完成させるのでしょう? 自分の曲が完成したと思うのはどんなとき? それは自分で決めているんですか?

「楽曲に関しては、僕自身が定めた基準を絶対に崩さないこと、それが大事であり、僕は100%完成したと思うまではリリースはしない。1つの基準としては、曲を仕上げている段階で、間に数日おいてもう一度その曲を聴いて、数日前に聴いたときと同じ昂奮を感じたら、ひょっとしていけるかもって思うね。ただ、もちろん仲のいいDJや僕のレーベル、Revealed Recordingsのチームの意見を聞くこともある。第三者の耳を通じて意見を聞くことは大事だからね」

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——今回アルバムのために曲を作るにあたって、大きな会場でプレイすること、アリーナでの音の響きなどは意識しましたか?

「もちろん。そういう会場でこそ、僕の音は生きてくると思うしね。ただ、小さな会場でもコネクトできるように考えてもいるけどね。でも、そういったことを意識して音を選ぶのは大事だと思う。でないと、大きな会場で観客とコネクトできないからね。今回のアルバムは確実に大きな会場、アリーナステージ用に作られているよ。そこでライヴをしたときに映える音を意識して作ってるからね。僕のワールドツアー『I Am Hardwell – United We Are』は、ビッグショーをコンセプトとしたライヴツアーなんだ。そして、前回のものよりもさらにワンランク上のものになっている。全体のプロダクションのレベルも規模も全てね。今作はそんな大きなダンスフロアで最高の瞬間を作り上げる、そんな作品になっているよ」

——母国オランダ、アムステルダム最大の会場、ジゴ・ ドームで今作のパーティを開催したそうですが、どんなパーティになりました?

「ジゴ・ドームでローンチ・パーティができたことは、僕の人生において実に大きな出来事だったね。アルバムがリリースされた週末に、ジゴ・ドーム2日間のライヴのチケットが売り切れていたんだ。それは、本当に信じられない、夢のようなことだったよ。今回のリリースで母国のファンが見せてくれた熱い思いには心から感謝してる。ジゴ・ドームという大きな会場で、エネルギーに満ちあふれたファンを相手にライヴができたことは本当にアメージングだったよ」

——現在、世界的にはEDMが大流行していますが、それはどこに向かっていると思います?

「今、ダンス・ミュージックの未来はとてもエキサイティングなものだと思う。アンダーグラウンドから、将来ヒットするであろう新しいサウンドがどんどんでてきているからね。よりテクノ的なハウス・サウンドがまた復活してきているし、アーバン・サウンドのシーンも盛り上がっている。僕自身、今後数年の間にダンス・ミュージックがどう発展していくのか、本当に楽しみさ。僕のレーベル、Revealed Recordingsからもどんどん新しいサウンドをリリースしていくから、楽しみにしていてほしい」

——あなた自身、ハードウェルとしての今後は?

「当面の目標は、このアルバムをひっさげたライヴで、ファンとこのアルバムのサウンドを共有していくことだね。今回のワールドツアー『I Am Hardwell – United We Are』は、今まで行ったことのない国や会場にも行くし、今までとは比べ物にならないほどより大きい、よりエキサイティングなものに仕上がっているんだ。そして、この夏は『Tomorrowland』や『EDC』をはじめ、すべてのビッグ・フェスティバルにも参加する予定だし、イビザでもスペシャルなライヴをやる予定だ。さらには、Revealed Recordingsを通じて、世界各国でイベントを開催する予定もある。またライヴでみんなに会えることを楽しみにしているよ!」

Text by EDM MAXX編集部(JS)

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「UNITED WE ARE」
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http://hardwell.jp