ダンスミュージック・シーンを代表する名曲“Out Of The Blue”や“Exhale”、さらには“Tenshi”など、それは往年のトランス・ファンなら誰もが知るビッグ・アンセム!



世界的にはもちろん、日本でも“Cyber TRANCE”(サイバートランス)という代名詞とともに大きな盛り上がりを見せたトランス・シーンで90年代から00年代にかけて世界をリードしていたのが、システムFことフェリー・コーステン。

トランスと言えば、現在のEDMシーンでも活躍中のアーティストたちの原点でもあり、今もシーンのトップで活躍し続けるアーミン・ヴァン・ブーレンの原点もまさにそう!
そんなアーミンと共に時代を築き上げたのが、フェリー・コーステンなのです。






システムF、そしてフェリー・コーステン、さらには90年代には今なお第一線で活躍するティエストとのユニット:グリエラ名義でも数多くのヒット曲を量産。

本当にたくさんのアンセムを残していて、その活躍はまさにヒットメイカーそのもの。



さらにはDJとしても大活躍していて、おなじみDJ Magのランキングでは当時何年も連続でトップ10入りしていたまさに常連。

また、イビサのアワードでも様々な賞を受賞するなど、スーパースターの名を欲しいままにしていました。


そんな彼が昨年末にソロ・プロジェクトとしてグリエラ名義の復活を発表しました。
かつて世界をリードしたスーパースターの今、そしてヒット曲量産の秘訣、現在のEDMシーンについてなど、いろいろと話を訊きました。

——昨年末にトランス・シーンの一時代を築いたグリエラを復活させましたが、なぜこのタイミングで?

それは僕自身、今のシーンはある決定的な音を失っていると思ったからさ。
20世紀末には存在した、ある種身の毛がよだつような典型的なトランスの音がね。

最近はメロディックなサウンドも多いけど、僕はそういった要素が今こそ必要だと思うんだ。

——約13年ぶりとなる新曲“Anahera”もリリースしましたね。



今回リリースしたシングルは、グリエラとしては5枚目の作品。
最初の3作はティエストとともに作り、彼が脱退した後にも1枚作品を発表しているんだ。

それからプロジェクトは休止状態にあったわけだけど、絶えずグリエラの新しい作品を聴きたいという要望があった。
そういった状況の中で、みんなの想いと自分のシーンに対する考えがリンクした、それが今回のリリースに至った理由かな。



——グリエラ以外にも、近年マーカス・シュルツとのユニット:ニュー・ワールド・パンクスとしても活動されていますよね。

数年前にイビサで友人のBBQパーティがあって、そこでマーカス・シュルツと音楽について熱く語り合う機会があったんだ。
今の音楽をインスパイアしている、かつての名曲なんかについてね。

その流れで、後日一緒にスタジオに入ることになり、その場で1曲作ることになってさ。
その後、とあるイベントで一緒になったときにその曲を披露したんだ。

それがニュー・ワールド・パンクスの誕生だ。

——あなたはかつて20世紀末から21世紀初頭にかけて、システムF名義で世界中を魅了していましたが、当時のことを今振り返ってみると?

システムFのことは常に心の特別な部分にしまってあるよ。

あれで僕はプロのDJとしてのキャリアをスタートさせ、世界を旅することになったわけだからね。



——システムF、そしてグリエラなど様々な名義で“Out of the Blue”や“Exhale”“Dance Valley Theme”、そして“Tenshi”などのアンセムを生み出しましたが、ヒット曲を作る上で重要な要素とは?

やっぱりキャッチーなメロディライン、そしてフックがすべてだね。

——当時と今ではダンスミュージック・シーンも大きく変わりましたが、なにが一番変化したと思いますか?

ダンスミュージックは確実にメインストリームになり、アクセスが容易になったよね。

インターネットを通じてSpotifyやBeatportで気軽に音源を楽しむことができるようになったし、インターネット・ラジオなどでもいろいろな音楽に触れることができる。

それと同時にジャンルの細分化がより激しくなったね。



——現在はEDMが世界中で大流行していますが、それに関してはどんな印象を持っていますか?

クレバーな新しいスタイルを取り入れた作品がいろいろと出てきてはいるよね。

ただ、全体的にはユニークさを欠いていると思う。
何かホットな作品がひとつ生まれると、翌週には山ほど似たような作品が世に出ているという感じでね。

みんな自分のアイデンティティ(独自性)を見いだせず、お互いマネをしてばかりいる。
そのせいで作品とその作者の力量の差が見分けづらくなっていると思うな。

——トランスとEDM、その大きな違いは? 今では同じように思っている人も多いような気がします。

トランスはメロディと情緒がすべてなんだ。
あとは、平均的にEDMよりBPM(テンポ)が早い。

それに対して、EDMはもっとコマーシャルでメインストリームに特化しているよね。
そして、何より“Put your f*cking hands up!”がすべてだよね(笑)

——今あなたが注目しているサウンドは?

矛盾しているように聞こえるかもしれないけど、僕は仕事以外ではチルアウト系の音楽が好きなんだ。

最近ではスカンジナビアのチル・アーティストやリキッドなドラムンベースが好きだね。


FerryCorsten-2015-2
——プライベートでは大のスノボ好きとのことですが、日本でも滑ったりしていますか?

去年の12月に長野県の白馬に行ったよ。最高だった。

日本の雪は僕の人生の中でもベスト、とても素晴らしいと思う。
ヨーロッパではオーストリアのアルプスが好きだね。

もしも、フランスにスノーボードをしに行く機会があるなら、クールシュヴェル(フランス南東部にあるサヴォワ県のアルプス山中のリゾート)をオススメするよ。
とても長く最高のボーディングができるからね。

My snowboard vacation is almost over guys, hope you don't get bored of my pics already haha!

Ferry Corstenさん(@ferrycorsten)が投稿した写真 –


——グリエラを復活させた今、あなたにとっての目標は?

現在制作中のグリエラのライヴショーと、近日発表する新しいプロジェクトだね。
それもまた楽しみにしていてほしいな。

——3月20日(日)には東京WOMBで初のプレイをすることが決まっていますが、最後に待ちわびているファンにメッセージを。

東京は、僕が世界で好きな街のうちひとつ。東京に戻るのが待ち遠しいよ!




REVAMP presents FERRY CORSTEN
2016年3月20日(日・祝前日)
WOMB(東京)
FERRY CORSTEN, DANTZ, YOSHIMASA, TAI IKEZAWA, KEN-GEE, U-KIC and more
前売 3,400円/当日 4,000円
www.womb.co.jp

Celestial feat. FERRY CORSTEN
2016年3月25日(金)
X-HALL(名古屋)
FERRY CORSTEN, KEN-GEE
前売 3,900円/当日 4,400円
www.x-hall.jp


Interview by EDM MAXX編集部(Marco)